全国手をつなぐ育成会連合会について

今回は私が加入している全国手をつなぐ育成会連合会について綴らせていただきます。

全国手をつなぐ育成会連合会とは?

全国手をつなぐ育成会連合会とは、知的障害者とその家族を支援するための活動を行う民間団体の連合体です

沿革

1952年 知的障害児を持つ母親3人が精神薄弱児育成会(別名 手をつなぐ親の会)を設立しました。
1955年 各都道府県に育成会が結成され、それらが団結して全国精神薄弱者育成会として社団法人となりました。
1959年 社会福祉法人の全日本精神薄弱者育成会となりました。
1995年 全日本手をつなぐ育成会と改名しました。
2014年 社会福祉法人を解散し、新たに各都道府県・政令指定都市育成会の連合体として任意団体の全国手をつなぐ育成会連合会となりました。

現在の組織

47都道府県の育成会と政令指定都市育成会(加盟手続済8地区)があり、全国の育成会に約10万人の会員が所属しています。

みどり
各地に親の会があります。詳細は全国手をつなぐ育成会のWebサイトをご参照ください。

活動内容

月刊誌『手をつなぐ』発行

手をつなぐ連合会は、知的障害のある方やその家族にむけた月刊誌『手をつなぐ』や、さまざまな本・印刷物の発行を行なっています。

月刊誌『手をつなぐ』です。障害者の福祉や教育などについて、とても分かりやすい記事を届けてくれています。
各種セミナーの開催

福祉・教育・雇用等についてのセミナーや大会・研修会を開催したり、ホームページでの情報発信をしています。

みどり
私が『親の会』に出会ったきっかけは、地域の親の会が開催してくださった障害者の成人後についてのセミナーに参加したことがきっかけでした。
政府や行政機関等に参加・提言

親・家族の立場から政府や行政機関等に参加・提言するなどの活動を行なっています。

みどり
放課後等デイサービスも、親の会などが行政に提案してくださったお陰で制度として成立しました。

手をつなぐ育成会に入るには?

手をつなぐ育成会に加入するには、全国手をつなぐ育成会のホームページにある会員申込フォームから申し込むことが出来ます。また、お住まいの地域にある育成会に直接問い合わせることも出来ます。年間 3,900 円の会費を支払う必要があります。

みどり
私が住んでいる地域の親の会の年会費は3,000円です。年会費は地域によって異なるようなので、年会費など詳細につきましては地域の育成会にお問い合わせください。

私が手をつなぐ育成会に入っていて良かったと思う理由

私個人で発信しても力が無いから

私は以前、子どもをいじめから守る方法であるCAPプログラムについての記事を書かせていただきました。CAPプログラムは、「全ての人が安心して、自信を持って、自由に生きる権利を持っている」ということを自覚させて、それを脅かす存在に出会った時には「嫌だ!」と大きな声を上げ、他の人に相談することが大切だということを教えてくれるプログラムです。

しかし知的障害がある場合、自分の「権利」を理解することが出来なかったり、言葉で人に伝えることが出来ないことがあります。そのため、周囲の人が知的障害のある人に代わってそれを代弁してあげる必要があります

知的障害のある人の権利を虐げた人が社会的影響力のある人だった場合、私個人がブログやSNSなどで「嫌だ!」と訴えたとしても、声が小さすぎて届きません。しかし、全国手をつなぐ親の会が声を上げれば会員約10万人の声になるので、きちんと声が届くようになります

障害者福祉などについての情報を入手することが出来るから

先日、私が加入している地域の親の会からのお便りに、新しくオープンした障害者福祉施設についてのチラシが入っていました。そういったニュースや、特別支援学校卒業後の進路状況についての情報、障害者福祉に関する手続きについての情報、色々な学校の特別支援教育についてなど、有益な情報を月刊誌などによって得ることが出来ます。

また、セミナーなどに参加すると、私より上の世代の障害者の保護者の方に出会うことが出来るので、その方から情報を得たり、相談に乗っていただいたりすることも出来ます。

まとめ

私は小学校中学校、高校、大学、社会人となるまで、競争社会の中で生きていました。競争社会は「信じられるのは己のみ」という人格を形成しやすく、能力と努力が至上主義の社会になりがちだと思います。

しかし、人生は能力と努力だけではどうしようもない場面が誰にでも訪れるものだと思います。障害を持って生まれることもあります。また、病気や怪我をして持っていた能力が無くなってしまうこともあるし、老化によって能力は確実に衰えていきます。努力出来ない状況や環境に置かれることも起こりえます。

「信じられるのは己のみ」といいますが、結局人間はリスクと老化を背負って生きているので、「信じられるのは己のみ」という前提は完全に間違えています。ヒトはそのリスクや老化をカバーするために、社会の中で助け合って生きている社会的動物です。社会に出ればあらゆる方面の仕事があるし、皆それぞれの仕事をしながら支え合って社会を形成しています。

競争を真っ向否定しているわけではありません。しかし、劣等感を感じて落ちこぼれたり心が歪んでしまう人を生み出してしまう過度な競争社会は現在の少子時代に合っていないと思っています。

私は我が子が生まれた頃から、誰かと助け合い、共感し合って生きていくことの大切さを感じる出来事に沢山遭遇してきました。

我が子は東日本大震災の最中に生まれました。あの時を境に日本も変わってきたのではないかと思います。あの時に生まれた全ての赤ちゃんに幸せになって欲しいと感じたし、同じ日本人同士助け合って生きていかなければいけないと思いました。

我が子に知的障害があると分かってから、私は療育で保育士さんに支えていただいたことをきっかけに保育士を取得し、次世代を担う子ども達を育てたいと思うようになりました。

オランダで暮らしていた時には、日本人同士助け合おうとう雰囲気がありました。公園で中国人や韓国人のお母さんに出会うと、「同じ東アジア人だね」という気持ちを抱き、相手もそう思ってくれている空気を感じました。ベトナム人のお母さんに「あ、日本人なんだね、近いね」と言われたこともありました。

人は困難な状況に置かれた時、弱者になった時、マイノリティになった時、助け合あったり共感し合ったりすることが大切になります。そういう立場にいつ自分が置かれるのか分からないので、自分もそういう立場になる可能性があると思いながら生きている方が生き易いように思います。

全国手をつなぐ育成会連合会があって、私はとても勇気づけられています。知的障害児者の保護者の方にはぜひ入会をお勧めします。

読んでくださり有難うございました。

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