ノルウェーのアウランフィヨルドを巡る旅について(グドヴァンゲン⇔フロム)

今回はノルウェーのアウランフィヨルドを子連れ旅行した時のことを綴らせていただきます。ノルウェー大自然を満喫する旅です。

ノルウェー第二の都市、ベルゲンへ

ノルウェーの西岸にはいくつものフィヨルドがあります。フィヨルドとは、氷河による侵食作用によって形成された複雑な地形の湾・入り江のことを言いますノルウェー西部の街ベルゲンは各地のフィヨルドにアクセスしやすいです。飛行機でノルウェー第二の都市ベルゲンに向かいました。

飛行機搭乗への備え

幼児期、そして自閉症や知的障害の子どもを飛行機に乗せるのは、機内で静かに過ごせるのかが心配ですよね。子どももそれぞれの個性があるので難しいのですが、我が家の場合は子どもが小さい頃は以下のように備えて搭乗していまいした。

  • 子どもの生活リズムに合わせられる時間に飛行機に乗れるように予約をする
  • チケットカウンターであらかじめ子どもの年齢や障害についてなど相談してみる
  • 子どもの着替えやおむつなどのセットがすぐに取り出せるように準備しておく
  • 耳抜きが出来るように、飲み物を用意しておく
  • おやつ、おにぎりなどの軽食を持ち込む
  • 子どもが好きな動画を見たり、お絵描きアプリなどで遊べるようにタブレットを持って行く
  • 荷物はバックパックに入れて、親の両手が空くようにする。荷物は最小限になるように服の枚数を整理する。
  • バックパックは機内に持ち込める大きさにする。機内持ち込みが出来ると、飛行機から降りてからスムーズに移動できます

ノルウェーの物価は世界第二位で、すごく高い

空港でユーロからノルウェーの通貨のクローネに両替しました。なお、ノルウェーの物価の高さは世界第二位です。一位のスイスにも行きましたが、スイスとノルウェーは物価が高く、我が家はスーパーで気軽にお買い物出来ないくらい高かったです。ノルウェーの消費税は、2022年8月時点で標準消費税率は25%(食料品の消費税は15%)です。世界の消費税率についてはワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社(Wise Payments Japan K.K.)のWebサイトで確認出来て便利です。

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外務省のWebサイトによると、消費税の税率が世界で1番高い国はハンガリー(27%)で、ノルウェーは25で第2位です。ハンガリーのブダペストも旅しましたが、物価が安いと感じたので、消費税が世界で1番高いというのは意外に感じました。宜しければブダペストの旅行記事もご覧ください。

一応空港でクローネに両替しましたが、ノルウェーはカード社会なのでVISAかMastercardなどのクレジットカードがあれば大体のお店で支払いが出来ると思います。

アウランフィヨルドの拠点グドヴァンゲンへ

ベルゲンからグドヴァンゲンへの移動

今回の旅ではアウランフィヨルドを観光することにしました。アウランフィヨルドは、世界最長を誇るソグネフィヨルドから枝分かれした先端部分で、1,000m級の山々に挟まれていて迫力満点の景色が楽しめます。

アウランフィヨルドを巡るフェリーはグドヴァンゲンフロムという町を往復しているので、ベルゲン空港でレンタカーを借りて、車でグドヴァンゲンに向かいました。

車でグドヴァンゲンに向かった時、長ーいトンネルが物凄く多いと感じました。後で調べてみたら、この時に車で走ったE16道路はベルゲンと首都オスローを繋いでいる道なのですが、その途中にあるラルダールトンネル(Lærdalstunnelen)は世界最長の道路トンネルで24.5㎞あるそうです。グドヴァンゲンへ行く時にはラルダールトンネルは通らなかったのですが、その道中のトンネルも相当長くて驚きました。ノルウェーにはトンネルを掘らないと移動できない岩の山々がありました。

車でグドヴァンゲンに向かう途中で大きな滝があちこちで見られました。自然の偉大な力を感じることが出来ました。
迫力満点の滝が見られました。車を停めて、滝を眺めました。大きな岩盤の大地。
岩の間から滝が流れていました。壮大な景色!こうして氷河が山を削って、フィヨルドが出来たのですね。

ノルウェー、白夜体験

ベルゲン空港からグドヴァンゲンに向かった日は、グドヴァンゲンの近くのスキー場の近くのホテルに一泊しました。グドヴァンゲンはとても小さな村で宿泊施設が少ないので、あらかじめホテルの予約をしておいた方が良いです。

私がノルウェーに行ったのは5月の最終週だったのですが、この旅で人生初めての白夜を経験しました。日没時刻は22時半くらい、日の出は4時過ぎという時期なのですが、夜でも太陽が地平線すれすれのところにあるので、夜も日が差して眩しかったです

子どもはホテルの前の雪の中に「Let it go〜♪」と飛び出して行きました。夜になってカーテンを開けても、雪に反射した眩しい光が入って来ました。夜も明るいと中々眠る気になれないものだと思いました。

アウランフィヨルドをフェリーで観光

次の日、朝ご飯を食べてからグドヴァンゲンのフェリー乗り場に車で向かいました。車はフェリー乗り場の近くの駐車場に停めました。フェリー乗り場でグドヴァンゲンからフロムまでのフェリーのチケットを購入したのですが、その際にフロムからグドヴァンゲンまで戻るためのシャトルバスのチケットも一緒に購入しました。

上の地図のグドヴァンゲンからフロムの間のアウランフィヨルドをフェリーで観光しました。グドヴァンゲンはフェリー乗り場とチケット売り場しか見当たらない静かな場所でしたが、フロムには大きな観光案内所やお土産屋さん、少し飲食店がありました。(ベルゲンから鉄道で移動してくる人がフロム鉄道の終着駅のフロムに集うのでフロムは栄えています。フロム鉄道は車より時間がかかりますが、世界でも有数の急勾配の中を駆け巡る山岳鉄道で見どころ満載です)

フロムの飲食店でお昼を食べたのですが、大人1人分くらいのフィッシュアンドチップスと飲み物だけで日本円にして5,000円くらいだったと記憶しています。家族でそれを分け合って食べたので、お腹いっぱいにはなれませんでした。お昼のランチにそんなに出せない…と感じてしまったので我慢しました。(子ども用にナッツなどのおやつを持ってきていたので、それをつまむことが出来て良かったです。)

グドヴァンゲンからフロムまでのフェリーで観光する際の所要時間は1時間半〜2時間くらいです。フロムからグドヴァンゲンまで戻る際のシャトルバスは、トンネルでE16道路を通過するので約20分です

グドヴァンゲン。5月末でもノルウェーはまだ肌寒く、私は薄いダウンジャケットを着ていました。静かで雄大な景色で、穏やかな気持ちになれました。
フェリーが到着しました。この船でアウランフィヨルドを観光しました。フェリーの中にはコーヒーやお菓子などの売店もありました。外のデッキにずっといると寒くなってくるので、途中で船の中に移動してフィヨルドを眺めました。
高い岩の山々の間に、いくつかの小さな村が見えました。ノルウェーの家々は木で出来ていました。
あちこちの山の間から氷河が流れ込んでいました。フィヨルドを進む船から次々と素晴らしい景色が目前に広がっていきました。
険しい岩山の下に家が建っていました。岩肌を耕して畑にすることは出来ないので、農業をするには不向きな環境ですね。野菜も高いわけだ…と思いました。漁業は盛んなのでしょうね。私もノルウェーの脂の乗った美味しい鯖をよくいただいています。

ベルゲン観光

フィヨルド観光が終わったら、車でベルゲンに戻って1泊しました。子連れ旅行なので、無理のない行程にすることが我が家にとってとても重要です。

ベルゲンの商店は平日17時頃、土曜日は15時に閉まってしまうところが多く、日曜日は商店も銀行も郵便局もお酒屋さんもほとんんど閉店のようです。夕食が食べられそうなお店を探しましたがお店も少なくて、閉店間際の商店でラップサンドと即席スープを買ってホテルの部屋で食べた思い出が残っています。スーパーでも物価の高さを肌で感じました。ノルウェーの人々は家族との時間を大切にしているので、外食するより早く家に帰って家族でゆっくり夕食をとる人が多いのでしょうね。

ベルゲンの中心地、港に面して三角屋根の木造家屋が立ち並ぶ地域、ブリッゲン。13世紀〜16世紀に建てられました。世界遺産にも登録されています。
ベルゲン美術館の近くのフェスト広場。ベルゲンの観光名所は他に魚市場とフロイエン山、ハンザ博物館があります。ベルゲンは中世に貿易で栄えた港町でした
みどり
中世に発展した商業都市は封建領主から特許状を取得し、自治権を得て自由都市となっていました。その各地の商業都が自治権や商業を守るために軍事同盟を結束していました。ノルウェーのベルゲンはベルギーのブルージュやロンドン、ドイツのケルンなどと共にハンザ同盟を結成していました。(ベルゲンは13世紀後半からハンザ同盟都市となりました。)宜しければ、ベルギーのブルージュの旅行記事もご覧ください。
5月下旬にチューリップが満開でした。まだまだ寒い季節でしたが、飛行機がまだ安かったのでこの時期に行きました。晴れ間は少なかったのですが、氷河が流れ込むフィヨルドを見ることが出来て良い旅でした。

まとめ

ノルウェーを旅して、色々と発見がありました。

ノルウェーという国は少し日本に似ている部分があると感じました。まず木造の家。ベルゲンの世界遺産ブリッゲンも木造建築だったので、昔から木造なのですね。ヨーロッパは「石の文化」と言われており、ヨーロッパの国々はレンガ造りや石造りの建物が多いので、日本と同じように「木の文化」であるノルウェーに親近感が湧きました。

また、お土産屋さんには「トロル」の人形が沢山売っていました。「トロル」というのは日本でいう妖怪のような存在です。ノルウェーでは昔から「トロル」がいると信じられてきたことに親近感を覚えました。
私は「3びきのやぎのがらがらどん」という絵本をよく子どもに読んであげているのですが、このお話はノルウェーの昔話で、「トロル」が出てきます。妖怪など目には見えない不思議な存在へのイメージは、人間が自然を畏怖する気持ちから生み出されたのではないかなと思いました。日本にもノルウェーにも深い森があります。ノルウェーのフィヨルドや険しい岩の大地。その大自然への畏怖がトロルを生んだのではないかなと思いました。

ノルウェーのフィヨルド、白夜、長いトンネル、高い物価。全てが見たことも経験したこともないものでした。フェリーの中でパーソナルスペースを守りながら静かにお仕事されているクルーの方々の姿も、新鮮に映りました。

今回の子連れ旅行では子どもも滝を見てとても興奮して喜んでいました。雪の中を走り回ったり、子どもにとっても沢山の良い刺激があったと思いました。

ノルウェーの旅の魅力がうまくお伝え出来ていたら嬉しいです。

読んでくださり有難うございました。

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