親子のアンガーマネジメント

日々、育児をしているとイライラッとする瞬間が多々あります。不思議なもので、保育園や幼稚園で働いている時に目の前で子どもがパニックになったり、(私が)叩かれたり、悪いことをしているのを注意したとしてもイライラッとはしません。これが親子となると難しいなと感じます。本日は親子のアンガーマネジメントについて綴らせていただきます。

親のアンガーマネジメント

怒りを抑えるメカニズム

「怒り」というものは、思い通りにならない時、予定通りいかない時、傷つけられた時などにに心の中に湧き上がる葛藤や戸惑いや不快感なのだと思います。こうした心の快・不快や喜怒哀楽を人間の脳の大脳辺縁系が司っています。きっと、「危ない!」とか「気をつけろ!」というような本能的な心の声を脳の奥底で感じ取っているのでしょう。

その大脳辺縁系が出した「怒り」を抑制して、思考して次の行動に移す「理性」を脳の前頭葉が司っています。

前頭葉は加齢とともに機能が低下します。脳の前頭葉が萎縮して認知症になってしまうと、感情の抑制が難しくなり、怒りっぽくなってしまいます。前頭葉の機能はアンガーマネジメントにとても重要です

子どもは、大人になった自分がしないような突発的な行動をとります。子どもの「危ない!」だったり、「ヒヤリ!」だったりする行動に対して、「なんでそんなことするのよ!」という怒りが親の心(大脳辺縁系)に湧き上がってしまいます。

子育てをしていると、我が子と向き合っている時間が長いので、脳が怒りにさらされる時間も長いのだと思います。働いている時はずっと一人で子どもに向き合っているわけではないので、自分の子どもに向き合っている時の方が怒りの抑制は難しいと思います。

親のイライラはどう抑制しよう?

私も色々とアンガーマネジメントを試してきました。その中で効力があると思って、その都度行っているのは次のことです。

6秒間数える!

特別支援学校からいただいたプリントの中に書かれていたので実践しているのですが、怒りを感じた際には6秒間数えると良いらしいです怒りのピークは6秒しか持続しないそうで、6秒間数えていると理性が働いてくるそうです。

私は最近いつも6秒間数えます。最近は3秒くらいでフッと心が軽くなっているのを感じます。(私は3秒で十分なのかもしれません。)6秒数えなければ「こらぁ!何しているの?!」と大きな声で怒鳴ってしまいそうな局面でも、6秒数えようと少し目を閉じたりすると落ち着いて、「〇〇はしません」と注意するトーンで声をかけることが出来るようになって来ています。

子どものアンガーマネジメント

子どもの場合は、高齢者の前頭葉が萎縮して衰えていくのと逆で、未熟な段階から育っていっている途中なのだと思います。自閉症スペクトラム症の子どもは、怒りを抑制する前頭葉の機能が少し弱いのかもしれないと思います。我が子を含めてこれまでに出会った子ども達のパニックの様子を思い出してみます。

どんな時に子どもがパニックになっていたのか?

我が子の場合

幼児期前期の頃

我が子は2歳3歳くらいの頃のパニックが酷かったです。意思疎通が出来ないし、目も合いにくかったので、根本的な理由が分かりませんでした。時々なのですが、突然ギャーと泣き出すと体をよじって真っ赤な顔をして1時間くらい泣いていました。声をかけても耳に入っていない様子で、床に寝転んだりして大変でした。我が子は1歳の時に卵アレルギーがあったので、食物アレルゲンになりそうな食べ物はあげないようにしていましたが、食事についてもとても気を遣っていました。体調とか気温とか気圧とか、そういうものに対する不快感も引き金になっていたと思います。

みどり
【追記】我が子は3歳くらいまで小麦製品を食べた後、1時間くらいパニックで泣き叫んでいた時期がありました。毎日下痢便をしていて、それも気になっていたので、お医者さんに相談し、一時期小麦の摂取を制限していました。それについては、「アレルギー?セリアック病?卵制限とグルテンフリーをしていた自閉症の我が子の食事について」の記事も宜しければご覧ください。
学童期

幼児期にあったような長く大きなパニックは今は無いです。イライラッとするのは、やっぱり自分が上手くできなかった時や私に片付けを注意された時などに見られますが、私が「偉いね」と言ったりして褒めたりするとすぐに落ち着きを取り戻します。私が我が子のイライラを察知するというのが大事だと感じます

療育で出会ったお友達

療育で出会ったお友達で覚えているのは、ゲームで一番にならないと怒りだしてしまう子どもがいました。しかし、毎回ゲームをしているうちに、ゲームに負けても怒らなくなっていきました。このことから、療育でゲームをする目的は、「負け」を経験させてそれを抑制する練習をしていたのかなと思います。「負け」に対する怒りを抑制する前頭葉の機能が育っていっていたのかもしれません。

働いていた時に出会った子ども

働いていた時に出会った子どもは、私が感じた原因として、3歳の子どもは眠いときに怒っていました。6歳の子どもは環境の変化に対する不安でパニックが増えていたと思います。6歳の子どもは、「怒りたくないよ」と平常時に言っていたので、パニックになると自分でコントロールすることが出来ないのも本人は辛かったのだと思います。

結局子どものパニックにどう対処したら良いのか

子どもは脳の機能が未熟なので、大人より怒りの抑制に時間がかかるのは仕方ないのだと思います。パニックは泣いたり怒ったりしながら、自分の心に沸いた不安や不快を発散させている状態なのでしょう。年齢や発達によって、怒りの抑制がうまく機能するようになると、だいぶパニックも落ち着いてくるのではないかなと思います。親として出来ることは次の3つだと思います。

  • 睡眠や食事などのリズムを整えてあげること
  • 出来るだけパニックになる要因を取り除いてあげること
  • 言葉によって意思疎通が出来るのであれば、言葉で気持ちを自覚させ、表出させること

まとめ

子どもにイライラしてしまうと、後でとても後悔してしまいます。私もそのことで何度も自己嫌悪してきました。

母親をやっているうちに、人間は不完璧なものだとある意味悟りました。常に良い母、完璧な母にはなれないのです。母親も人間だし、母になってまだ数年なのです。子どもと一緒に成長していくものなのでしょう。

子どもは段々手が離れてくると、親が見ていないところで怪我をしてきたり、色々です。だから、ドーンと構えて、自分のストレスを上手く発散する方法を見つけることや体調管理をすることも大切だと思います。
(思えば自分も子どもの時は失敗したり怪我したりして、親に沢山心配をかけてきました)

愛情をしっかり子どもに伝えて、触れ合って、そしてアンガーマネジメントなど取り組めることに取り組んで、子どもを健やかに育てていけたら良いなと思います。

読んでくださり有難うございました。

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