介護の勉強から得た育児と保育へのヒント

私は今、介護福祉士実務者研修を受けています。介護については初心者なのですが、修了できるように勉強をしています。介護を勉強し始めて、保育士としても色々な共通項を発見し、新たな気づきが生まれています。今回は私が介護を勉強して得た、育児へのヒントを綴りたいと思います。

介護福祉士とは?

介護福祉士は、日常生活を営むことに支障がある高齢者障害者に対して、心身の状況に応じた介護を行ったり、介護者に対して介護に関する指導を行います

介護をするにあたって、専門的知識や技術が必要となります。また、2011年に社会福祉士及び介護福祉士法が改正され、医師の指導のもとなど、一定の条件の下で喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアが出来るようになりました

介護にあたって大切な姿勢

要介護者の尊厳保持

介護保険法の第1条において、介護を必要とする者の尊厳の保持がうたわれています。要介護状態にある高齢者や障害者を個人として尊重して介護をしていくことが大切です。

もし介護している相手が自分の親だったとしたら、私の場合は親に感謝しているし尊敬しているので、親が認知症になっていたとしても、親の立場を気遣いながら言葉をかけたりすると思います。そして、もし自分が高齢者の立場だったり、障害者の立場だったとしたら、どんな言葉をかけてもらいたいか、どのように接してもらいたいかを考えます。相手の立場になってみたら、尊厳が守られることの重要性が分かります

主体は要介護者、潜在能力を最大限に残し、最小限で手助けをする

赤ちゃんは筋力だけで寝がえりしたわけではない

寝返り

介護の本を読んで、私は目から鱗が落ちたことがありました。赤ちゃんは身体の機能に問題がなければ、生まれて数か月すると寝返りをします。この寝返りですが、筋力だけで寝返りが出来るようになっているわけではありません。口唇期の赤ちゃんは手や足を掴んで口に入れたりする動きをします。すると、ある時拍子でバタンと横に倒れます。上を向いて寝転がっていた赤ちゃんが、横を向いて、そして寝返りをするようになります。

高齢者の場合、ベッドに寝ている時間が長くなってしまうと起き上がりが難しくなってしまいます。起き上がりを介助しようとして、無理やり上に引っ張るのはとても大変です。私も上を向いて脱力して寝ている夫を引っ張って起こそうとしてみましたが、無理でした。毎日やっていたら腰を痛めてしまいます。

しかし、赤ちゃんの寝返りのように、上を向いて寝ている夫に腕を上げて足の膝を立てて頭を少し持ち上げてもらうと、夫を軽く押すだけで夫を横向きにすることが出来ました体位変換は床ずれ防止に重要です

日常の自然な動きとは?

椅子から立ち上がる時

私たちは椅子から立ち上がる時、無意識に少し前かがみになり、そして反動で体を上に持ち上げています。

椅子から立ち上がろうとしている高齢者を介助しようとして、腕や脇を上に引き上げようとすると、とても重いです。さらに介助を受ける高齢者も引っ張られて痛くて、結局立ち上がることは出来ません。

椅子から立ち上がろうとしている高齢者を介助するには、高齢者が前かがみの姿勢になるように誘導し、少し手前に引くと高齢者のお尻が自然に浮き上がるので、そのタイミングで真上に立ち上がります。

人間の動きは力のバランスで成り立っていると気づかされました。寝返りして、座り、立ち上がり、歩いたり、走ったり、そして自転車に乗ったり、全てバランスです。全てが力任せなのではなく、バランスで成り立っている動きなので、バランスに沿った動きをすると、筋力が弱っている高齢者でも自分の力で立ち上がったり出来るようになります

要介護者が持つ潜在能力を保持していく

介助をする人が力任せに要介護者を引き上げると、要介護者の出来ること、残っている能力を奪ってしまい、要介護者の潜在能力が減っていってしまいます。だから、要介護者が人間のバランスに沿った動作が出来るように、支援者は不足している部分を見極めて支援することがとても大切です

介護の知識を子育てに当てはめてみる

子どもの尊厳、尊重することを深く考えました

自分の子育てについて、時々思うことがありました。子どもが片付けをしない時、なかなか着替えをしない時など「〇〇しなさい」とつい命令形になってしまうことがありました。普段の友人との付き合いなど、他人との付き合いで命令口調になることはありません。仕事でもありません。夫にもありません。

「〇〇しなさい」という命令形になってしまうのは、子どもとの関係が「〇〇してあげる」関係になっているからかなと思いました。しかし、その関係が自分を命令する立場にしてしまうとしたら、もし親の介護をする場合にはどうなのかと考えました。親に対して命令するようなことはしたくないので、それは子どもにとっても同じなのだと気づきました

主体は子ども、出来ることを見守る

高齢者の介護と同じように、子どもの保育も同じですね。主体は子どもです。時間に追われていると、つい自分のペースで動こうとしてしまうので、それが命令口調になってしまう要因ではあると思います。

出来るだけ子どものペースで、子どもが出来ることを見守りながら必要な部分に対して声かけなど支援をしていくことが、子どもの尊厳を守る上でも大切だなと改めて思いました。

まとめ

介護の勉強はこれからです。これから喀痰吸引や経管栄養の実習などもあります。しかし、介護の勉強を始めたことは自分の子育てにも、保育士としての仕事に関しても、多くの気づきを得ることが出来ています。

現在、医療的ケアが必要な子どもも増えているので、保育の現場でも喀痰吸引や経管栄養の医療的ケアが必要な子どもが増えてきています。世の中の色々なニーズに気づいていくこともとても大切だなと感じました。

高齢者はますます増えていくし、家族の介護をすることもあるかもしれないので、介護の技術を学ぶことはとても意義があると思いました。

読んでくださり有難うございました。

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