今回は、乳児期の頃から特別支援学校小学部高学年の現在までの我が子の偏食の様子について綴らせていただきます。
乳児の頃
離乳食が進まなかった
我が子の偏食は生後5〜6か月の離乳食を開始した頃から始まっていました。全がゆからあげてみましたが、なかなか口に入れようとせず、入れてもべ〜っと吐き出していました。離乳食は焦らなくて良いと聞いていたので5〜6か月の頃は様子を見ることにしました。
8カ月になった頃、私も焦るようになってきました。全がゆやすりつぶした野菜や白身魚などをあげてみましたが、食べたがる様子が見られなくて困っていました。
11カ月になった頃は、おかゆにお豆腐の入ったお味噌汁をかけると少し食べてくれるようになってきました。我が子は卵アレルギーも発覚して、卵を食べた時に顔や首に発疹が出てしまったことがあったので、食事の幅を広げるのが難しいと感じました。
私は保育士を取得した後、保育園で働きました。0歳児の子ども達が食事の時間を毎日楽しみにして、離乳食をパクパク食べて、手づかみでなんだって食べようとして、結構大きな塊も歯茎でつぶして食べてしまう姿を見て、我が子との違いがはっきりと分かりました。
幼児の頃
幼児期前期(長い離乳食)
1歳になった頃、我が子と同じ月齢のお友達が家にご飯を食べに来てくれたことがありました。その時、その子は「食べる〜!」という気持ちを表現して、大きな形の物も歯茎でしっかり潰して食べていました。我が子は相変わらず母乳中心で、なかなかご飯を食べようとしてくれませんでした。
1歳2か月の頃、離乳食が進まないことを悩んでいたこともあり、私は断乳しました。断乳はとても辛かったです。私が寂しくて1回は断念しました。それでも2週間後にもう一度断乳をして、そして授乳を卒業しました。
断乳してからは離乳食を食べてくれるようになりましたが、食べるものが非常に限られていました。次のようなものは食べてくれました。
- 汁物やカレーなどをかけて柔らかくしたご飯は食べてくれました。
- おかずは刻んで小さくした状態にして、ご飯に混ぜ込まないと食べてくれませんでした。
- 納豆とシラス、豆腐は食べてくれたので、タンパク源になっていました。
- そぼろご飯も食べてくれたので、いつもそぼろを沢山作って冷凍していました。
- 野菜はなかなか食べてくれませんでした。特に歯でしっかり噛まないといけないものはダメでした。
- みかんとバナナは大好きで、よく食べてくれました。みかんはビタミンCやカロチンも摂ることが出来るので、野菜代わりによく食べさせました。(プチトマトやレタスなどの生野菜は絶対食べませんでした。)
- うどんは食べてくれました。
身長・体重は問題なく増えてはいましたが、2歳3歳そして4歳5歳になっても上のような状態でしかご飯を口にしてくれなくて、心配していました。また、祖父母の家に行ったり、外食など環境が変わってしまうと普段食べてくれるものも食べてくれなくなってしまいました。環境の変化があると食べない傾向は今もあります。
幼児期後期(幼稚園でのお弁当)
我が子は幼稚園に行くようになりました。幼稚園のお昼ご飯はお弁当でした。我が子は相変わらずおかずを食べたがらなくて、さらにお弁当というシチュエーションが普段とは違うので益々食べようとしませんでした。
幼稚園の先生からのお手紙に「野菜や肉は嫌います。幼稚園で調理した味噌汁やカレーなど、のどごしの良いものは食べていた」と書いてあります。我が子はお弁当では食べないけれど、温かい味噌汁やカレーなど普段のご飯と同じような状態なら食べてくれたようでした。
幼稚園で何も食べられないとお腹が空いてしまうので、私は毎日お弁当と一緒にバナナを持たせました。お弁当は残していましたが、バナナは毎日食べてくれました。幼稚園で我が子のお友達が「〇〇くん、いつもバナナ食べているよー」と笑って教えてくれました。
家でのご飯も相変わらず、青椒肉絲やおでんなども形のある状態では食べてくれませんでした。ただ、おかずは刻んでご飯に混ぜることで食べてくれていたのは幸いでした。
療育や幼稚園で出会った障害のある子どもの中には、ペースト状にしたものしか食べない子や、ふりかけご飯しか食べない子、白いご飯しか食べない子がいました。障害のある子どもは偏食がある子が多いなと感じました。
特別支援学校に入学してから
学校給食
学校の給食は家と同じように温かくて出来立ての状態で食べさせてくださるので、お弁当に比べたら食べてくれるようになって安心しました。さらに汁物があるので、本人が好きなようにスプーンにご飯を乗せて汁物にチョンと付けて食べることが出来るので、ご飯と汁物は完食出来るようになりました。
さらに、本人は汁物が好きなのでお代わりをしたがります。その時に先生が「おかずを食べたら汁物をお代わりしていいよ」というように大好きな汁物をご褒美にして、おかずを食べるように促してくださいました。また、学校にはお友達もいるので、みんなで食べている刺激が本人のやる気を引き出したようで、コールスローサラダやから揚げなどのおかずも口に入れてくれるようになっていきました。学校で出来るようになったことも多いので、家だと甘えが出てしまったり、学校ではやる気スイッチが入ったりするのかなと思います。
本人が給食を完食できるようになってから、先生はご飯を汁物に付けて食べないように指導してくださいました。私も家で同じように指導するようになり、汁物とご飯、おかずを別々でご飯を食べてくれるようになりました。
高学年になった現在の家庭での様子
親と同じようにご飯を盛り付けています。そして、ご飯と汁物、そして毎日のおかずを完食してくれます。朝からブロッコリーを残したりはしますが、食べるように言うと口に入れて飲み込んでくれるようになりました。プチトマトも大好きです。身長・体重も問題なく、元気に育ってくれています。
偏食の原因と対処法
偏食の原因
調べてみると、発達障害の子どもの偏食の原因には次のものが挙げられていました。
- 「感触過敏」や「感覚過敏」があるために、食感だったり匂いだったり、噛む音だったりが受け入れられない
- 経験したことがないものに極度の不安を感じたりする
我が子の場合は、汁物にして柔らかくしたり、刻んだりして小さくしないと食べなかったし、祖父母の家だったり外食をすると食べなくなってしまう、食べ慣れないもは食べないので、上の2つの原因が当てはまると思いました。
対処法
対処法を次のようにまとめました。
- 感触過敏、感覚過敏への対応
柔らかいものが苦手な子どもには揚げたりしてサクサクさせたり、固いものが苦手な子どもには柔らかく煮たりミキサーをかけてペーストにしてあげたりして、本人が食べやすい形に調理してあげる。 - 経験したことのないものに対する極度の不安
イラストや絵カードなどで食べられるものだということを伝える。また、無理強いすることなく、和やかな雰囲気を作り、本人が食べようとするのをゆっくり見守る。食べたら褒める。
まとめ
幼稚園の時に偏食があったお友達に学校に入ってからの様子を聞いてみると、ほとんどのお友達がご飯を食べられるようになっています。我が子も、野菜の好き嫌いや、食べ慣れないものを口にしなかったり、環境が変わると食べたがらない時もありますが、普段の生活では困らない程度に自分でしっかり食べてくれるようになっています。
我が子は幼児期の頃はご飯におかずを混ぜないと食べなかったりしましたが、その状態でも幅広く食べ物の味やにおい、香りに慣れさせることは出来ていたので、その点は良かったのかなと思いました。
今出来ないことが、いつか出来るようになる。振り返ってみるとそう思えることが多い育児です。
読んでくださり有難うございました。