言葉が出ないと悩んでいた頃から現在までの自閉症の我が子の成長の様子と家庭療育について

昨晩、布団に入る前に少し時間が出来たので、久しぶりに絵カードを見せて物の名前を言ってもらいました。少し前には自分がうまく発音出来ないことや間違えることを恥ずかしがって、絵カードを見るのを嫌がっていたのに、昨日はとてもやる気があって、大きな声でいくつかの物の名前を正しく答えることが出来ました。我が子は幼児期には全然言葉が無く、コミュニケーションが取れなかったので、その頃の私は「言葉が出ますように」と切に願っていました。今回は現在特別支援学校小学部高学年になっている我が子の言葉の成長の様子や取り組みを振り返ってみたいと思います。

乳児期の頃

乳児の頃はとても大人しい赤ちゃんでした。マイペースで呼んでも振り向かず、自分の気持ちを表情や指差しなどで伝えようとしませんでした。私や夫や同じ月齢くらいの赤ちゃんなど他人に対して、自分から積極的にかかわって、「一緒に遊ぼう」というそぶりや「甘えたい」というそぶりを見せることは少なかったと思います。

幼児期前期の頃

1歳半検診で指差しによって応答することが出来ず、発達の遅れを指摘されました。1歳8カ月の頃に受けた発達検査の結果には、言語・社会領域の発達指数は10カ月(DQ51)と書かれています。乳児の頃と変わらずマイペースで、周囲の人に対する関心が薄く、大人しかったです。指差しがまだ出来ず、物の名前の概念も全く分かっていない様子でした。その頃教えていただいた子どもとの関わり方を次のようにまとめました。

子どもの言葉の発達について

言葉の発達に必要な3要素

言葉の発達には次の3つの要素が基礎となります。

  • 周りからの話しかけを理解する(言語理解)
    例)「ゴミポイして」というと捨ててくれる
    例)「お出かけするよ」と声を掛けると、玄関に行って待ってくれる
  • 耳が聞こえている(聴力)
    例)後ろから名前を呼ぶと、振り返る
    例)玄関でピンポーンと鳴ると、気づく
  • 大人と一緒に楽しく遊べる(対人関係)
    例)大人が「ちょうだい」と言うと「ハイ」と渡したり、「イや」という仕草をする
    例)コチョコチョくすぐるとキャッキャ笑い、「もっとやって」という仕草をする

言葉の遅れがある時にどのように子どもに関わったら良いのか?

  • 言葉も遅く、落ち着きなく1人で走り回っている場合
    体を大きく使った遊びをいっぱいすることで、落ち着く力が育っていきます
  • 呼びかけても振り向かず、反応もしない場合
    人への関心が元々弱いのであれば、よく遊んで人への興味や関心を育てることが大事です。
  • 言葉を理解しているのかが分からない場合
    話しかけられていることが分かっていない様子であれば、身振りを使ったり、表情豊かに話しかけるなど、分かりやすい話しかけ方を工夫する必要があります。
  • 1人きりで遊んでいて、一緒に遊ぼうとしない場合
    「一緒に遊ぶと1人きりで遊ぶ時よりずっと面白い!」と思えるように遊びを通して関わります。人との関わりが出来てくると、「手伝って」と上手に人を頼れるようになり、言葉が増えていきます。
  • 自然に言葉をかける
    「ほら見て、わんわんよ!」「これなんだ?」と忙しく話しかけたりしなくても大丈夫です。「おはよう」「おいしいね」「お風呂にはいるよ」「着替えるよ」と自然に話しかけたら十分です
  • 「むにゃむにゃ語」でも認めてあげる
    言葉が聞き取りにくかったり、言葉の一部だけしか言わずなかったり(りんごのことを「ゴ」と言う)したとしても、「リンゴでしょ!」と注意したりしないで、「りんごだね〜」とさり気なくフォローしてあげます。
    自分の言った言葉を認めてもらえると、言葉を積極的に使おうという気持ちを育てることが出来ます
  • 言葉の発達は「体づくり」と「こころ育て」から

    人間の脳は①からだの脳、②こころの脳、③ことば・考える脳、と3つの部分を積み上げていく構造になっています。言葉を育てるには、まず土台の「体づくり」と「こころ育て」が必要です。
  • 体とこころを育てる暮らし方
    ・生活リズムを整える(早寝早起き、お昼寝や食事の生活リズム作り)
    ・体を動かして十分に遊ぶ
    ・親子で触れ合い遊びなどして、楽しく関わる
    ・手を使う
    ・色々な経験を積む(お出かけして、色々なものを見聞きする)
    ・物をよく噛んで食べる(口や舌を使うことで、構音機能を高めます)

幼児期後期

幼児期前期は子どもの言葉の発達を促すために「体づくり」と「こころ育て」を意識しながら育児をしました。しかし、まだ言葉は出ておらず、相変わらずマイペースでコミュニケーションをとることは難しかったです。

幼児期後期には幼稚園や療育に通いました。幼稚園や療育での様子は以前の記事に書かせていただいたのですが、この頃もまだまだ全然言葉が出ていませんでした。家庭では絵カードを見せて物の名前を言う練習をしたりしましたが、本人はあまり分かっていなかったし、言葉を発音するのが苦手なのであまり楽しくなさそうでした。それでも機嫌をとりながら、短い時間(5分くらい)で、言葉を発してもらおうとしました。我が子はとても大人しい子だったので言葉を発する練習をしないと構音機能も育たないように思いました。偏食であまり噛みたがらなかったし、口を動かして言葉を発する練習をする時間を取ることも必要だったと思います。

そうやって親子で関わる時間が取れたことは良かったなと思います。人と関わる力も少しずつ伸びて、幼稚園や療育でも他のお友達のことを意識するようになっていました。

小さい頃から使ってきた絵カードの一部です。ハサミや折り紙、塗り絵など指先を使った遊びにも一緒に取り組みました。

特別支援学校に入学してから(現在の様子)

我が子はもう高学年です。特別支援学校に入学してからあっという間に感じます。特別支援学校に入学してからも家庭でしてきたことは幼児期とあまり変わりません。休日には公園に行って体を十分に動かすようにしたり、コチョコチョしたりして楽しく関わったり、絵本を読んであげたり、絵カードを読んだり、一緒に机に向かってなぞり書きの練習をしたり、折り紙を折ってみたり、塗り絵をしてみたり、シールを貼ってみたり、ハサミの練習をしたり、色々としながら子どもと関わる時間を楽しみながら日々暮らして来ました。

次第に、言葉をよく理解していると感じることが増えました。「ハンガー持ってきて」「トイレに行っておいで」「ご飯食べるよ」「お風呂に入るから準備して」「お洗濯干すの手伝って」「お箸を出して」「靴を揃えてね」と普通に言葉を掛けると、すぐに反応して動いてくれるようになりました。

1歳半検診で出来なかった指差しもできるようになりました。「お耳どこ?目はどこ?お腹はどこ?」と聞くと、その部分を指差しして「おみみっ、めっ、おなかっ」と言葉も発してくれます。

本人から「コチョコチョするっ」と言ってコチョコチョを催促してくれるようになりました。「お代わりください」「おんぶください」「開けてください」と気持ちを伝えてくれるようになりました。

頭を撫でてあげると嬉しそうに微笑んで甘えてくれるようになりました。目を合わせて笑ってくれるようになりました。カメラを向けると「ピス」と言ってピースをしてくれるようになりました。

お風呂ではいつも「お名前は」「学校は」「どこに住んでいるの?」「何歳?」「何年生?」と私が質問をします。この質問は毎日なので嫌だろうな〜とは思うのですが、迷子になってしまった時に自分で答えられるようにという親心で毎日やっています。あと、構音機能が育つように50音の復唱もしてもらっています。

昨晩は絵カードを見せると「リンゴ」「人参」と自分で正しい答えを言ってくれました。間違える時や分からない時もあるのですが、私が一音目の「オ」というと「オムライス」と答えてくれました。二語文カードも覚えているので、私が「馬が」と言うと「歩く」と答えてくれました。言葉を発することに自信が持てなかった頃は「キーッ」となって嫌々答えていましたが、昨日はとても嬉しそうに前のめりになって大きな声で答えてくれました。

まとめ

幼い頃は全然コミュニケーションが取れませんでしたが、現在はかなりとれるようになりました。

子育て相談で教えていただいた「からだの脳」「こころの脳」「ことばの脳」は本当にその通りだと思います。

体幹が弱くて走るのもなんとなくぎこちなかったのに、今はしっかりと腕を振って走れるようになりました。週末にはよく5kmくらい散歩します。先日は300m級の山に登ったのですが、私と手を繋いでしっかり歩いてくれました。「からだ」もしっかり育ちました。

目も合わなかったのに、目を合わせられるようになりました。目が合うと言葉が無くてもコミュニケーションが取れるものだなと感じます。先日の個人面談で先生が「〇〇くんは空気を読んでいる、周りを見ている」と言ってくださいました。「こころ」もしっかり育っています。

そして、最後に言葉が育ってきました。物に名前があることも分かって来ました。「言葉が出てきますように」と祈っていたことが、今は叶っているのだと嬉しく思います。

私と我が子の経験がどなたかのお役に立てれば幸いです。

読んでくださり有難うございました。

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