自閉症の我が子の幼児期後期(幼稚園と療育、就学相談)の様子

幼稚園に入園

我が子はオランダから帰国してから、4歳5歳と2年間公立幼稚園にお世話になりました。
入園前、幼稚園を探していた際には、自宅から通えそうな数か所の幼稚園や保育園に電話をかけて、障害のある我が子が入園することが出来るかを伺い、そして2つの園から障害があっても受け入れているというご回答をいただき、見学と面接に行きました。

一斉保育と自由保育、どちらが向いている?

幼稚園や保育園の保育の形態には、主に自由保育、一斉保育があります。

自由保育 「自由遊び」とも呼ばれ、子どもが主体となって展開される形態。「自ら考え、行動する」という考えに基づいて行われる。子どもは好きな場所で好きな活動を行うことが出来る。
一斉保育 同じ時間、場所、方法で一斉に活動する形態。活動は幼稚園教諭または保育士が計画し、主導して行う。ただし、活動の主体は子どもである。

二つの園に面接に行きました。両方の園が必要であれば介助員を着けてくださるとおっしゃってくださいました。

我が子は知的や言葉の遅れはありますが、お友達が好きでニコニコしている朗らかなタイプです。一斉保育は活動の見通しは立てやすいので、一定のリズムがある生活の方が安心して過ごせる子どもには向いていると思います。しかし、我が子は自由に伸び伸びと自分の好きな活動に取り組める自由保育の幼稚園の方が本人の赴くままに遊びが出来るので、無理なく通えるかなと思い、より自由保育の特色の強い幼稚園の方に通わせていただくことにしました。

また、園長先生のお人柄もとても大切だと思います。通わせていただいた幼稚園の園長先生のことを、私は今でも尊敬しています。その園長先生は仏様やマリア様のような神々しい方でした。初めて面接でお会いしたあの日のことは一生忘れないと思います。面接の際、私は子どもに「いい子にするんだよ。いい子にしないと幼稚園通えないよ」と言うと、園長先生が微笑みながら「いい子じゃなくってもいいのよ。明日からでもおいで」と言ってくださいました。何度も他の園から入園を断られてきた私なので「いい子にするのよ」と我が子に言いましたが、園長先生は「いい子じゃなくてもいいのよ」と言ってくださったのです。

入園させていただいた幼稚園は自由保育の園で、子ども達が毎日走り回って、泥んこになって、伸び伸びと工作したり絵を描いたり、ごっこ遊びをしたり、絵本を読んだりして好きなように遊んでいましたが、時間によってみんなで一緒に活動する時間もあり、とてもバランスよく色々な刺激を受けながら過ごせる園でした。

幼稚園での様子

幼稚園では介助員の先生が着いてくださっていて、本人が一人では出来ないことを上手に支援してくださっていました。本人も幼稚園が楽しい様子で、お友達ともうまく溶け込んでいました。お友達も我が子にコチョコチョしたり、一緒に手を引いて遊んでくれたり、一緒に砂遊びをしてくれたりして、我が子もとても嬉しそうにしていました。
今でもお友達と一緒にいることが好きなフレンドリーな性格なのですが、そういう態度も幼稚園でお友達と一緒に楽しく過ごせた経験によって身についたのではないかなと思います。

母としても初めての幼稚園デビューでした。幼稚園に入園した当初は障害児のママである自分は受け入れてもらえるのかなと心配していました。しかし、とても親切なお母さま方が沢山居て、普通に仲良くなってくださいました。
色々な役員も積極的に引き受けるようにしました。そうすることで幼稚園との関係が密になり、子どもの様子も良く分かったのが良かったです。(幼稚園の役員については、出来る人がやったら良いかなと思っています。健常児のお母さんだって、下の子がいたり、他人には見えない理由があったり、色々あると思います。)

療育について

就学前に療育施設に通所した際の様子

我が子は自治体が運営している通所施設に4歳5歳の2年間、週1回通いました。そのクラスは1回約1時間、1クラスに子ども6名くらいで保育士さんが2〜3名いらっしゃいました。

内容はまず名前を呼ばれたら返事をして(手を挙げて)挨拶する、音楽に合わせてリトミック・体操する、サーキット遊び(くぐる、平均台を歩く、ボールを投げる等)、個別で図形のマッチングをしたり、塗り絵や工作をする等の活動をしていました。親子分離で活動するので、初めは少し不安になったりしていましたが、すぐに慣れて楽しんでいました。同じクラスの他のお友達のお母さま方も、幼稚園よりも療育の方が落ち着いているとおっしゃっていました。子どもの人数が少なく、子どもの発達状況に応じた楽しい遊びをさせてもらえていたからだと思います。みんな楽しそうに活動をしていました。

保護者も子どもが療育を受けている間に、保護者同士で情報交換をしたり、気持ちを共有し合ったり出来て、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。障害児の親は孤立しがちなので、同じ境遇や気持ちや悩みを共有できる人に出会える場所や時間があるということはとても有難いです

就学に向けて

学校見学

就学先を決める際、子どもにとってどの学校に入学するのが良いかを判断するために学校見学がとても重要だと思います。地域の小学校(通常学級、特別支援学級、通級等)や特別支援学校の就学相談会や公開授業に参加して、子どもが学校の授業に着いていけるか、楽しめるか、先生の様子はどのような感じかを目で見て説明を聞いたり質問をして、色々な情報を集めた方が良いと思います。

自治体の就学相談

子どもが年長になり少し経った頃に、自治体が実施している子どもに障害がある保護者向けの「就学相談会」に参加しました。その際に渡された書類に、子どもの情報(出生から現在までの成長の様子や集団での様子、病歴や不安に思っていることなど)を記載して提出しました。その後、担当の方と面談し、子どもの様子も観察していただきました。その結果、我が子の場合は「特別支援学校への進学が本人にとって望ましい(だろう)」という自治体の教育委員会からの判定が書かれた書類が年末頃に届きました。

なお、自治体の判定に不服がある場合は不服申し立てが出来るようです。その際には自治体の担当者や進学を希望している学校の校長先生と面談を重ねて、進学先を決定するそうです。

オランダへようこそ

障害があるかもしれない…と心配ばかりしていた乳幼児期前期に比べて、幼児期後期には障害を受けいれて、子どものありのままを受け入れて、子どもの成長や自分の成長を喜べるようになりました。

私が子どもの障害に気づき、そして夫のオランダへの転勤が決まった頃、「オランダへようこそ」という詩を知りました。「オランダへようこそ」はアメリカの作家・社会活動家のエミリー・パール・キングスレイさんが書かれた「障がいのある子を育てる」ことについてのエッセイです。内容は、「イタリア旅行の計画を立てていたのに、飛行機が着いた先はオランダだった。華やかなイタリアに行けないことは残念だけど、オランダには風車やチューリップ、レンブラントの絵画がある。いつまでも残念がっていたら、オランダを楽しむことは出来ない」というものです。この詩の伝えていることと同じように、私は我が子の育児を通して多くの素敵な出会いや気付きを得ました。

子どもの障害に悩み、受容するまでは自分の人生観も見つめ直す必要がありました。しかし、それを乗り越えてから、以前よりも自由で前向きな自分になれたと思います。障害のある我が子をありのまま愛するということは、欠点も沢山ある自分をも愛することと同じことなのだと思います。

読んでくださり有難うございました。

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