自閉症にも効果あり?善玉菌を増やして腸内環境を整える生活について

我が子は幼児期に食物アレルギーがあったので、食物アレルギーの改善に繋がるとされている腸内環境を整える取り組みをしてきました。今回は腸内環境を整える上で重要な働きをしている腸内細菌について調べてみました。

腸内細菌とは?

私たちの大腸には100兆個、1000種類以上の腸内細菌が住んでいます。腸内細菌は約4〜5日で体内で過ごした後に対外に排出されます。また、排出されたものに代わるように分裂・増殖していくことで常に入れ替わっています。

善玉菌と悪玉菌、日和見菌

腸内細菌は、消化吸収を促したり免疫を活性化するなど人間にとって有益な作用をする善玉菌と、有害物質を作ったり腸内の物質を腐敗させたりと有害な作用をする悪玉菌、そして体調によって善玉菌にも悪玉菌にも味方する日和見菌の3つの種類に分類されています。それぞれの菌はお花畑のように区画に分けて群生して「腸内フローラ(お花畑)」を形成しています。

腸内細菌の役割

人間が消化できない食べ物を分解する

食物の中には人間が消化吸収できるものと、消化酵素を持っていないため消化出来ないものがあります。消化できない食物には食物繊維難消化性オリゴ糖があります。大腸の管内にいる腸内細菌の中にはこれらの人間が消化できないものを分解するものもいます。

例えば酪酸菌は食物繊維を分解して酪酸を作ります。酪酸は大腸内の環境を弱酸性にすることで、大腸菌などの悪玉菌の増殖を抑制し、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が住みやすい環境にします。善玉菌が増えることで蠕動運動が活発になり、便秘が解消されやすくなります

免疫を活性化する

小腸の表面積は約200㎡もあり、この広い小腸の表面には食物を吸収するための孔(あな)が沢山空いています。口から侵入した病原菌はこの孔から体内に侵入することが可能なので、病原菌の侵入を阻止するために腸には体の最大の免疫システム(腸管免疫)が機能しています。腸管の免疫システムはとても優秀で、病原菌と食物を見分けて、栄養成分のみを体に取り込むことができます。小腸にはT細胞やB細胞などの免疫細胞が集まっており、病原菌が侵入すると抗体「免疫グロブリンA(IgA)」を放出して、病原菌を死滅・除去します。小腸の免疫力は体の中で一番強く、がん細胞の増殖も抑える働きもあると考えられており、小腸にはほとんど癌が見られません。

腸内細菌は免疫力を高めることが、体の中に細菌が全くいない無菌マウスと通常のマウスを比較する実験で明らかにされています。また、免疫細胞が過剰に反応している場合にそれを抑制する働きがあることも分かってきており、アレルギーや自己免疫疾患の治療に向けて研究が進められています

脳の発達に影響を与える

腸内細菌は脳の発達にも影響を与えるという研究結果もあります。無菌マウスと通常のマウスの行動を比較したところ、無菌マウスの方が活発でより危険な行動をとったという研究結果が発表されました。この無菌マウスには危険に遭遇した時に出てくる神経伝達物質や運動調節に関係する遺伝子や物質の量が少ないという特徴がありました。

ダイエットもサポート

2匹の無菌マウスそれぞれに、太ったマウスの腸内細菌と痩せたマウスの腸内細菌を与える実験を行ったところ、太ったマウスの腸内細菌を与えられたマウスの方が体脂肪の増加率が高かったという実験結果が発表されています。どの腸内細菌が関わっているのかはまだ不明ですが、腸内細菌の働きが肥満予防にも効果があるということが分かってきているようです。

腸内細菌の善玉菌を育てるために出来ること

善玉菌の種類

善玉菌には主に乳酸菌ビフィズス菌酪酸菌がいます。

乳酸菌

乳酸菌は人間が消化できなかった食物繊維を分解した後に乳酸を作り出す菌です。乳酸菌には主にヨーグルトやチーズに含まれている動物性乳酸菌と、味噌やしょうゆ、日本酒、ぬか漬け、しば漬けやたくあんなどの漬物、キムチ、ヨーロッパで食べられるザワークラウトやインドのカレーに入っているチャツなど食物性の素材に含まれている植物性乳酸菌があります。

動物性乳酸菌はお乳の中のような栄養豊富で温かい恵まれた環境で生きてきたために大腸に届くまでに死滅してしまうものが多いのですが、植物性乳酸菌は栄養分が少なく寒さや塩分など厳しい環境の中でも生きていられる菌なので、大腸まで生きて到達することが出来ます

みどり
日本は味噌やしょうゆ、韓国や中国などはキムチ、ヨーロッパはザワークラウト、インドではチャツネなど、それぞれの地域で植物性乳酸菌を含む食べ物が伝統的に食べられてきたということが凄いなぁと感じます。また、昆布やワカメを昔から食べてきた日本人だけが海藻を分解を出来る腸内細菌を持っているらしいです。人間が超雑食でなんでも食べられるのも、腸内細菌がお腹の中にいてくれるお陰なのですね。

ビフィズス菌

ビフィズス菌は食物繊維を分解した後に乳酸や酢酸を作り出す菌です。酢酸には強い殺菌力があり、悪玉菌の増殖を抑制します。さらに、ビフィズス菌はビタミンB群や葉酸などを作る働きもあります。

ビフィズス菌は人間のお腹の中に住んでいるヒト由来の菌で、ビフィズス菌を身近な食べ物から摂取することは難しく、生まれたばかりの赤ちゃんでは腸内の腸内細菌の約95%をビフィズス菌が占めていますが、成人では約10%に、60歳以降では約1%以下にまで減ってしまいます。そのため、ビフィズス菌入りのヨーグルトやサプリメントなどで積極的に摂取することが望ましいです。

酪酸菌

酪酸菌は食物繊維を分解して酪酸を作ります。酪酸菌は酪酸菌はぬか漬けの中にいます。ぬか漬け以外で摂取するには、酪酸菌が含まれたサプリメントで摂取することができます。

我が家は「ミヤリサン」という酪酸菌が含まれた錠剤と酪酸菌の栄養源となるフラクトオリゴ糖を毎日食べています。

みどり
我が家では積極的にフラクトオリゴ糖を食べて酪酸菌を育てる腸活をしています。東京大学名誉教授で微生物学博士の小柳津広志さんが描かれた『花粉症は一日で治る!』という本によると、酪酸菌が増えると免疫が強くなり、アレルギーの炎症が抑えられるらしいです。詳しくは『花粉症は一日で治る!?フラクトオリゴ糖と酪酸菌を摂ってみました』の記事もご覧ください。

その他、納豆菌

納豆菌は乳酸菌やビフィズス菌の大好物で、納豆菌が乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増えるのをサポートしてくれます。

善玉菌を育てるために必要な食べ物

食物繊維

善玉菌は食物繊維をエネルギー源にしているので、食物繊維を積極的に摂ることが善玉菌を育てることに繋がります。人間が消化・吸収できない食物繊維は、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」に分けられます。不溶性食物繊維の成分はセルロースで、レタスやキャベツ、ゴボウなどに含まれています。水溶性食物繊維は柑橘類やリンゴの皮に含まれるペクチンや海藻などに含まれるアルギン酸ナトリウムなどがあります。

最近我が家では、オーストラリアで新しく開発された「第三の食物繊維」とされている「レジスタントスターチ」が多く含まれている「バーリーマックス」というスーパー大麦をご飯を炊く時に一掴み入れて炊いて食べています。大麦に含まれているタンパク質は小麦に含まれているタンパク質とは異なるたおめ、小麦アレルギーと比べて大麦アレルギーの発症頻度は低いと言われています。(ただし、アレルギー反応が出てしまう人もいるので、注意が必要です。)香ばしい風味で美味しかったです。

オリゴ糖

腸内細菌のエネルギー源となるものに、食物繊維以外オリゴ糖があります。オリゴ糖は単糖類(グルコースなど、炭水化物を分解した時の最小単位の糖)が2〜20個結びついたもので、人間の消化酵素では分解できないものもあります。オリゴ糖の中のイソマルトオリゴ糖ははちみつや味噌、しょうゆなどに含まれており、熱や酸にも強いです。ダイズオリゴ糖は大豆に含まれているオリゴ糖で、これも熱や酸に強いです。その他、お乳に含まれているガラクトオリゴ糖などもあります。オリゴ糖は甘味料としても販売されています。

まとめ

腸には脊髄と同じくらいの約1億個の神経細胞があり、これほど多くの神経細胞があるのは脳と脊髄と腸だけだそうです。腸は脳の指示を受けることなく独立して蠕動運動をして消化をしている器官で、「お腹が空いたよ」と逆に脳に指令を出したりしているそうです。その様子から「腸は第二の脳」と言われています。

大腸の善玉菌を増やして腸内環境を整えると、子どもの脳の発達や免疫増強、心身の健康維持にとても良い影響があることが分かりました。

日本人の伝統的な食材であるお味噌って素晴らしいなと思いました。ゴボウ入りのお味噌汁を食べてぬか漬けや納豆をご飯のお供に食べていたら腸内環境は良い状態になるということが分かったので、これからも積極的にお味噌汁を食べていきたいと思います。

読んでくださり有難うございました。

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