今回は、自分がいつか認知症になるかもしれないし、知的障害のある我が子の将来のことを考えて、成年後見制度のことを調べてみようと思います。
成年後見制度とは?
成年後見制度とは、成年の認知症高齢者や知的障害者、精神障害者を保護するための制度として、1999年に「民法の一部を改正する法律」等の成年後見制度関連四法が成立し、介護保険制度と同時に2000年から施行されました。
成年後見制度の支援内容
法定後見制度は、本人の判断能力の状態に応じて後見、補佐、補助の3種類の支援内容があります。なお、後見、保佐、補助の判定は、医師の診断によります。後見制度の申立て時に医師の診断書を添付し、家庭裁判所に申し立てます。詳しくは裁判所のホームページをご確認ください。
種類 | 後見 | 補佐 | 補助 |
対象者 | 認知症・知的障害・精神障害等により判断能力(事理弁識能力)を常に欠く状態にある者 | 認知症・知的障害・精神障害等により判断能力が著しく不十分な者 | 認知症・知的障害・精神障害等により判断能力が不十分な者のうち、保佐または後見の程度に至らない軽度の状態にある者 |
申立てできる人 | ・本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、検察官など ・本人に身よりがいない、親族の協力が得られない場合には区市町村長 | ||
支援内容 | ・成年後見人が、日常生活に関する行為以外の行為の取り消しを行う ・成年後見人が財産に関する全ての法律行為を代わって行う | ・保佐人が、借金や訴訟といった重要な法律行為に対して同意したり、取り消しを行ったりする ・保佐人が、申立時に選択した特定の法律行為を代わって行う | ・補助人が、申立時に選択した借金や訴訟といった重要な法律行為に対して、同意したり取り消しを行ったりする ・補助人が、申立時に選択した特定の法律行為を代わって行う |
法定後見制度と任意後見制度
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。なお、現状では成年後見人になる人の2〜3割が配偶者や親族で、7〜8割は配偶者や親族親族以外の司法書士や弁護士、社会福祉士、法人後見事業者、社会福祉協議会、行政書士などがなっているようです。
法定後見制度
法定後見制度は、家庭裁判所から選ばれた成年後見人、保佐人、補助人が本人を保護、支援します。
任意後見制度
任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、前もって自分が選んだ代理人(任意後見人受任者)に自分の生活、財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で締結しておきます。本人の判断能力が衰えた時に、任意後見受任者は家庭裁判所に申し立てを行い、任意後見人が適切に保護、支援できるように家庭裁判所は任意後見監督人を選任し、それによって任意後見受任者は任意後見人となります。
ただし、
- 任意後見監督人の選任は,家庭裁判所の合理的な裁量に委ねられており,家庭裁判所としては,常に本人の意思に拘束されるものではなく,諸般の事情を総合的に考慮して適任者を選任することになりますので,本人の希望する候補者が審査の結果,客観的には不適任と認められる場合には,別の者が選任されることになります。
- また、家庭裁判所は,本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り,法定後見開始の審判をすることになります。
- 任意後見監督人選任の申立ては,家庭裁判所の許可がなければ取り下げることはできません。
詳しくは、裁判所のWebページをご確認ください。
成年後見制度を利用するのにかかる費用
成年後見人の報酬額の目安
成年後見人に後見、保佐、補助してもらうと、報酬の費用を支払わなければなりません。報酬額の目安は次の表のとおりです。報酬額の詳細は東京家庭裁判所のWebページをご覧ください。
管理財産額(本人の資産) | 基本報酬額(月額) |
1,000万円以下 | 2万円 |
1,000万円以上、5,000万円以下 | 3〜4万円 |
5,000万円以上 | 5〜6万円 |
※成年後見人等の後見等事務において,身上監護等に特別困難な事情があった場合には、上記基本報酬額の50%の範囲内で相当額の報酬が付加されます。
成年後見監督人の報酬額の目安
親族に任意後見してもらった場合には、後見監督人がつきます。その際には、後見監督人に対して報酬を支払わなければなりません。
管理財産額(本人の資産) | 基本報酬額(月額) |
5,000万円以下 | 1〜2万円 |
5,000万円以上 | 2.5〜3万円 |
まとめ
今回は成年後見制度を調べてみました。最近、私は介護の勉強をしているのですが、老後の生活に必要になる情報は、大まかなところだけでも早く知っておいた方が良いと思います。私の両親は今はまだ元気でいてくれていますが、この先認知症になる日もくるかもしれません。親が認知症になってしまった時には、親本人が法律行為を行うことが出来なくなってしまうので、成年後見制度が必要となります。しかし、後見が開始されてしまうと後見人は定期的に裁判所への報告義務があるので、子どもが後見人になっている場合にはその手間がかかったり、親の財産を自由に使うことが出来なくなったりします。また、毎月の報酬費用も発生します。
私の場合は知的障害のある子どもがいます。成年後見制度は毎月の報酬額のランニングコストがかかることが分かりました。子どもの財産管理という面では、「福祉型信託」という方法もあるようです。色々、我が子のために調べることが沢山あって大変です。追々考えていこうと思います。
読んでくださり有難うございました。