私はこの1カ月ほどランチのご飯を減らしました。すると午後の眠気やダルさが無くなり、快調に働けるようになりました。また、ガッツリランチを毎日食べるようになってから2㎏体重が増えていたのですが、ご飯を減らすようになってからすぐに体重が戻りました。今回はランチのご飯を減らした感想と、血糖値コントロールについて綴らせていただきます。
ランチのご飯を減らした私の感想
ガッツリ定食を完食した後の立ち仕事がだるくて眠い…。
私が障害者の就労継続支援事業所で働きだしてから約2カ月が経過しました。私が働いている施設では、施設の職員と利用者さんが毎日厨房でお昼ご飯を作ってくださっています。
施設のご飯は毎日美味しくて、ご飯と汁物、そしておかずの肉や魚のお料理、サラダ、漬物やピクルス、そしてデザートまであります。
私は血糖値スパイク体質だと認識
私は健康診断で血糖値が高いと言われたことはありません。それは朝ご飯を抜いて前日の晩ご飯以降は空腹状態で採血した場合の血糖値の結果です。
しかし、妊娠中に50g経口ブドウ糖負荷試験をした時には血糖値が基準値よりも高くでてしまい、再検査になっていました。
血糖値スパイクとは?
私たちが食べたご飯やパンなどに含まれている炭水化物は胃や小腸で消化され、ブドウ糖に分解されて、小腸で吸収されます。その後、血液中に取り込まれて全身の組織へ運ばれていきます。この時、血液中の血糖値が上昇しますが、すい臓がインスリンを分泌するとブドウ糖は各細胞に取り込まれるため、食後しばらくすると血糖値は下がっていきます。健康な人の場合は食後の血糖値が140㎎/dl以上にはなりません。
しかし、血糖値スパイクの人は食後の血糖値が140を超えて200㎎/dl近くまで急上昇し、そしてインスリンが働きだした後に急降下して血糖値が正常値に戻ります。そのため、空腹時の血液検査では血糖値に問題は見られませんが、食後1時間後の血糖値では正常範囲を超えた高い血糖値の結果になります。
血糖値スパイクの症状
血糖値スパイクの人は、食後1時間〜2時間以内に頭痛、ほてり、動悸、発汗などの症状が出ます。また、食後2時間以上経つと手の震え、冷え、強い空腹感、眠気、うつ感、集中力の低下などが見られます。また、睡眠時には寝汗や体のこわばり、中途覚醒、疲れが取れないなどの症状が見られます。
なぜ血糖値スパイクになるの?
健康な人は食後に血糖値が上がるとタイミングよくすい臓から十分な量のインスリンが分泌されるため、食後の血糖値が140mg/dlを超えることはありません。しかし、血糖値スパイクの人はすい臓からインスリンが分泌されるタイミングが遅れたり、十分な量のインスリンが出ないため、血糖値の上昇が抑えにくいと考えられています。
日本人や東アジア人は欧米人に比べてインスリン分泌能力が低いことも分かっています。欧米人はインスリンを分泌する力が強く、太らない限りは糖尿病になりません。一方、日本人の場合はインスリンを出す力が弱く、肥満になる前に血糖値が高くなる人がたくさんいます。そのため、日本人には2型糖尿病を発症する人の半分以上が肥満ではないそうです。
また、痩せ型でも筋肉の少ない女性に血糖値スパイクの人が多いようです。筋肉は食後にブドウ糖を取り込む役割をしているので、筋肉が少ないと血糖値の上昇を抑えにくいようです。
ランチのご飯を減らした(ほぼ食べない)感想
私は血糖値スパイクの体質だと認識し、職場のランチの炭水化物(ご飯)を減らしてみました。1口2口食べたり、ほとんど食べなかったりするようにしました。もったいないと思いますが、体質なので仕方ないのだと思います。
その結果、午後の急激な体のダルさと頭痛、冷え、肩こりが無くなりました。ラジオ体操やその後の立ち仕事も難なく軽快にこなせるようになりました。自分の体が軽く、ジャンプの振動が頭にガンガン響きません。
また、体重にも変化が見られました。今の職場に就職してから毎日ガッツリ定食を完食してからすぐに体重が2㎏増えてその体重が固定していました。しかし、炭水化物のご飯を食べないようにしてから、体重はすぐに2㎏減りました。私は若い頃から筋肉の少ない痩せ型体質なので、2㎏減ったこの体重が私にとって動きやすい体重なのだと思います。
血糖値コントロールについて
血糖異常が体に与える悪影響
タンパク質の糖化が老化につながる
高血糖の状態になると、体内の細胞にあるタンパク質に糖がくっついてしまいます。タンパク質の糖化によって体の機能が低下し、老化の原因の1つになると考えられています。
糖化とは、わかりやすく言えば「コゲる」ことです。例えばお米を炊きすぎてコゲる。あるいはホットケーキを焼きすぎてコゲる。このコゲが糖とタンパク質が加熱されてできた糖化産物です。糖尿病はHbA1cという検査値を指標に治療しますが、このHbA1cも糖化産物の1つです。
糖化は、初期の段階なら血糖が下がれば、正常なタンパク質に後戻りしますが、高い血糖が続けば後戻りができなくなり、この結果、終末糖化産物(AGE=Advanced Glycation End Products)ができます。
この終末糖化産物が血管に蓄積すると、動脈硬化が進行し、あるいは肌に蓄積すると、肌の弾力性が低下して透明感のないくすんだ肌になります。また、脳の中のタンパク質と糖が結びつくと、アルツハイマー病の原因となるβアミロイドなどの産生が増加し、認知症のリスクが高まります。
酸化ストレスによって老化や細胞のガン化、脳細胞の細胞死につながる
血糖値スパイクは酸化ストレスを引き起こします。
酸化ストレスは、炎症を伴う非常に多くの病気との関連が指摘されています。感染症(ウイルス、細菌、寄生虫)、がん、心筋梗塞、動脈硬化症、腎機能障害、脳に関しては、ADHD、パーキンソン病、アルツハイマー病、自閉症、うつ病、慢性疲労症候群、アスペルガー症候群などの疾患・症候が酸化ストレスに関連していると言われています。
食後血糖値の上昇を防ぐにはどのような食事が良いのか
ご飯だけよりご飯+おかず(タンパク質+脂質+食物繊維)の方が血糖値は上がらない
血糖値を上昇させるのはご飯やパン、麺類や砂糖などの炭水化物です。
ご飯(炭水化物)だけ食べた時よりも、同じ量のご飯におかずの肉(タンパク質)や油脂(脂質)や野菜(食物繊維)を一緒に食べた時の方が食後血糖値は低くなります。おかずを食べた方がカロリーは上がりますが、血糖値の上昇は抑えられ、食後血糖値はなだらかな推移をします。
①野菜→②肉や魚などのおかず→③ご飯やパンの順で食べる
食べる順番も重要です。野菜やきのこ類などの副菜を先にしっかり噛んで食べることにより脳にある満腹中枢が満腹感を感知し、ご飯やパンの食べすぎを防ぐことができます。
朝食を抜かない
朝食を抜いて、前日の夕飯から翌日の昼食まで食事を摂らない場合、すい臓がインスリンを分泌するタイミングが遅くなり、昼食で血糖値が急上昇しやすくなります。
高GI食品を減らす
グリセミック指数 (Glycemic Index) とは食後血糖値の上昇を示す指標です。食品の炭水化物50グラムを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表しています。
GIが70以上の食品は高GI食品 56~69の間の食品は中GI食品 55以下の食品は低GI食品とされています。
高GI食品 | 精白米、胚芽精米、食パン、バターロール、にんじんなど |
中GI食品 | ライ麦パン、中華麺(生)、そば(生)など |
低GI食品 | 玄米、全粒粉パン、オールブランシリアル、かぼちゃ、ごぼう、玉ねぎ、トマト、キノコ類など |
まとめ
私は血糖値が急上昇&急降下しやすい血糖値スパイクの体質を持っているので、ランチのご飯を減らしてみたところ、午後の体調がはっきりと自覚できるほどに良くなり、眠気やダルさ、頭痛、冷えを感じることなく動けるようになりました。また、体重も減りました。
血糖値の急上昇を抑える食べ方も意識して、野菜から食べるようにしています。また、ご飯を白米から低GI食品の玄米に変えてみました。お茶碗一杯のご飯には角砂糖14個分の糖質が含まれているそうです。角砂糖で換算すると、主食のご飯にも結構多くの糖質が含まれていることが分かります。
食後高血糖を放置すると動脈硬化が進んだり、癌や糖尿病、認知症、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが高まります。今後もランチのご飯を減らしたり、家のご飯を玄米に変えたりしながら血糖値コントロールを続けていこうと思います。
読んでくださり有難うございました。