『One Naion Under CCTV』2007年、ロンドン『What are you looking at?』2004年、ロンドン『公衆電話を傍受する男たち』2007年、ロンドン
2013年(39歳)、ニューヨーク滞在中のバンクシーが1カ月にわたって毎日1つ、街角に作品を描いてそれを公式Instagramに投稿するイベント『Better out Than In』を開催しました。
みどり
バンクシーの公式アカウント(https://www.instagram.com/banksy/)で作品を観ることが出来ます。『Better Out Than In』の期間中、ニューヨーク中の人々がSNSを見て、バンクシーの新作探しに熱狂しました。中には作品に上書きするアンチや、販売目的で作品を持ち去る人もいました。
会場に足を踏み入れると、映画のセットのようでした。我が子も異空間を楽しんでいました。入ってすぐ、『くしゃみをして入れ歯を飛ばすお婆さん』の壁画がありました。坂道の町並みが映画のセットのように再現されていました。館内では一部のゾーンを除き写真撮影OKでした。2006年にロサンゼルスで開催された『Barely Legal』の時に展示されたペイントされた像も再現されていました。2013年にニューヨークで行われたイベント『Better Out Than In』でニューヨークの街角に描かれた絵も再現されていました。ここからはパレスチナゾーンです。瓦礫の中に洗濯物が干されていて、リアル。2015年にパレスチナのガザ地区の瓦礫に描かれた巨大な猫の絵も再現されていました。実際の大きさも体感出来て、とても面白かったです。2015年に描かれたシリア難民の息子(スティーブ・ジョブズ)の壁画もありました。バンクシーは「“We’re often led to believe migration is a drain on the country’s resources, but Steve Jobs was the son of a Syrian migrant. Apple is the world’s most profitable company, it pays over $7 billion a year in taxes—and it only exists because they allowed in a young man from Homs,”」と声明を出しました。パレスチナの地図です。赤い線がイスラエル政府が築いた高さ8m、全長700㎞にも及ぶ分離壁です。分離壁の前で営業している、『世界一眺めの悪いホテル』の窓から見える分離壁に描かれたバンクシーの作品も、ホテルの窓から見ているような形で展示されていました。『世界一眺めの悪いホテル』から見えるバンクシーの作品『Art Attack』『世界一眺めの悪いホテル』から見える『風船と少女』パレスチナの分離壁に描かれている『Flower Thrower』火炎瓶の代わりに全力で花束を投げています。現地のガソリンスタンドの壁に描かれた5mほどの作品です。『Bullet-Proofed Dove』2005年、パレスチナ。パレスチナのベツレヘム市街の壁に描かれている鳩は防弾チョッキを着て、その胸は銃口を向けられてターゲットにされています。約1億5,000万円での落札が決まったとたんにシュレッダーが作動して切り刻まれた赤い風船と少女の図。2014年にはシリアの子ども達を救うキャンペーンのアイコンにもなったこの図は、2002年に初めてロンドンのウォータールー橋のたもとの階段に描かれました。当時、誰かが「THERE IS ALWAYS HOPE」と書き加えたことで、この絵は一層人々の心に訴えかける作品となり、イギリス人の誰もが愛する国民的名画となりました。