子どもと大人をいじめから守りたい!CAPプログラムの絵本について

前回、子どもが自分自身でストレスから自分を守ることについて綴らせていただきました。今回は私が子どもを産む前からずっと手元に置いてある、いじめから自分を守る方法が書かれているCAPプログラムの絵本をご紹介させていただきます。

CAPプログラムの絵本との出会い

私は昔、総合職でオフィスで仕事をしていた時期がありました。2000年代、その頃は働き方改革なんて言葉もなく、女性が男性と同じ立場で仕事をするのが多分今より大変だったと思います。(今も大変なのでしょうけれど…)

残業が当たり前で、むしろ残業することが評価の対象くらいな感じでした。

「隣の担当はこの担当より遅く(深夜11時過ぎとか)までいつも残っているから、毎日20時30分までは残って仕事しなさい」「女性だからって家に帰ってご飯が作れると思うな」「いつから俺に意見できるほど偉くなったんだ」

机を叩かれたり睨まれたり、うつ病で休んでいる後輩に電話をしたり、色々とありました。女性だけではなく、男性の同僚もパワハラで体調を崩して薬を沢山飲んでいました。

ある時、少し体調を崩して病院の待合室で待っている時に、CAPプログラムの絵本と出会いました。その本は「あなたが守る あなたの心・あなたのからだ」という森田ゆりさんが書かれた絵本です。

CAPプログラムとは?

CAPとはChild Assault Prevention(子どもへの暴力防止)という意味です。CAPプログラムは、子どもが自分自身の力でいじめ・虐待・体罰・誘拐・痴漢・性暴力から自分を守るプログラムです。

よろしればCAPプログラムのホームページをご覧ください。

この絵本を読むと、次のことが心に刻まれます。

〇自分は世界にたった一人、ありのままの自分が素敵。
〇自分の体も心もとても大切。自分が感じた気持ちを大切にして、表に出していい。
〇全ての人が安心して、自信を持って、自由に生きる権利を持っている。
〇安心して、自信を持って、自由に生きる権利 それが心の力
〇安心して、自信を持って、自由に生きる権利を奪う人が現れたら大きな声で「嫌だ!」と言う
〇「嫌だ!」という力が小さな体の子どもにも備わっている。エンパワーしよう!
〇家族や友達、周りの人たちが助けてくれまで、みんなに相談しよう「助けて!」と言い続けよう

大きくまとめると、このような内容のことが絵本に書かれています。そして、絵本にはいじめに遭った時、悪い人に連れ去られそうになった時など、一つ一つのシーン毎にどのような態度を取ったら良いのかが描かれています。

私が素晴らしいと思ったのは、自分には「嫌だ!助けて!」と大きな声を上げる力が元々備わっているんだということを思い出させてくれるところです。

いじめに遭ったりパワハラに遭ったりして、自分の「安心して、自信を持って、自由に生きる権利」が理不尽に奪われてしまうと、絵本の中で言われているように心の力が本当に無くなっていきます。すると、ただただ追従するようになってしまったり、自己無価値感に苛まれたり、やる気を失くしてしまったり、心身が病気になってしまったりしてしまいます。

親子でこの本を読んで欲しい

子どもが学童期になると親の目が届きにくくなり、ずっと傍で守ってあげることが出来なくなってきます。だから、子どもが自分で自分のことを守れるようになっていく必要があります

私はこの絵本を20代の頃に買ってから、「いつか子どもにも読んであげよう」と思ってきました。知的障害のある我が子にはこの絵本は難しくて分からないかもしれません。でも、そろそろ読んでみようかと思っています。我が子が幼稚園を卒園した時には、小学校にいく他のお友達にも勧めました。

私も昔小学生の頃、いじめに遭いました。その時は全く言い返せなくて、毎日嫌がらせをされたり無視されたり、服装を「ダサい」と言われたり、宿題を提出させてもらえなくなったり、すごく辛くて、毎晩布団の中で泣いて怯えていました。母にも言えませんでした。しかし、母が察して学校に相談に行ってくれたので、クラス替えでいじめっ子から離れることが出来て、その後は安心して学校に通えるようになりました。

しかし、当時私がこの絵本を読んでいたとしたら、違ったのではないかと思います。

私は自分を大切にしようと思えていなかったし、私には安心して学校に通う権利があることも知りませんでした。自分が辛いと思っていることをうまく表現出来ませんでした。「嫌!」と言えませんでした。誰にも相談できませんでした。

私はこの絵本を読んで、いじめに遭っているということは不当な立場に置かれているのだから、憤慨していいのだということに気づきました。

大人になってもいじめやパワハラなど、同じようなことがあると思います。ちなみに、大人になってからの私は小学生の時のように弱くありません。職場でパワハラに遭った時にも「人格否定はパワハラですよ!」と言い返しました。

まとめ

学校でも人権教育をしてくださっているようですが、それでもまだいじめは無くなっていません。いじめる人にもいじめられる人にも、全ての人が「安心して、自由に、自信を持って生きる権利」を持っていることを認識してほしいと思います。

CAPプログラムの絵本を親子で読んで、子どもも大人も自分の心と体を大切に出来るようになると良いなと思います。

読んでくださり有難うございました。

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