今回は私が保育士試験に一発合格した時のことについて記事にさせていただきます。
保育士とは?
保育士とは、児童福祉法18条に『保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者』と規定された、地域の子育ての中核を担う専門職です。
保育士になるためには、各都道府県で実施されている保育士試験に合格するか、保育士養成施設(4年制大学や短大、専門学校の保育士養成課程)を卒業して保育士資格を取得(登録)する必要があります。保育士試験の受験手続や日程、受験資格等については、保育士試験を実施している一般社団法人全国保育士養成協議会のWebサイトに掲載されています。
保育士資格を取得すると、「児童福祉法」で定められた保育所、幼保連携型認定こども園、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センターなどの児童福祉施設で働くことが出来ます。
保育士試験について
保育士試験は各都道府県で年に2回行われています。4月または10月の2日間で実施される筆記試験に合格すると、7月または12月の1日で実施される実技試験を受験することが出来ます。
筆記試験
筆記試験の試験科目は次の9科目で、5肢択一方式の問題をマークシートに回答するスタイルです。各科目で6割以上得点すれば合格となります。ただし、教育原理と社会的養護は両方を同年に6割以上得点していないと合格になりません。
保育士試験は科目別の合格制をとっており、一度合格した科目は原則としてよく翌年までの3年間有効となります。なお、児童福祉施設や認定こども園などで一定期間・一定時間勤務した場合、申請することで科目免除期間が最長5年まで延長されます。
期日 | 出題科目 | 出題数 | 配点 | 時間 | |
1日目 | 1 | 保育の心理学 | 20問 | 100 | 60分 |
2 | 保育原理 | 20問 | 100 | 60分 | |
3 | 児童家庭福祉 | 20問 | 100 | 60分 | |
4 | 社会福祉 | 20問 | 100 | 60分 | |
2日目 | 5 | 教育原理 | 10問 | 50 | 30分 |
6 | 社会的養護 | 10問 | 50 | 30分 | |
7 | 子どもの保健 | 20問 | 100 | 60分 | |
8 | 子どもの食と栄養 | 20問 | 100 | 60分 | |
9 | 保育実習理論 | 20問 | 100 | 60分 |
実技試験
筆記試験の全科目で合格すると、実技試験を受験することが出来ます。実技試験は「音楽表現に関する技術」「造形表現に関する技術」「言語表現に関する技術」の3分野から2分野を選択し、両分野とも6割以上得点できると合格できます。
分野 | 配点 | 試験概要 |
音楽表現に関する技術 | 50 | 課題曲についてピアノなどの指定の楽器で伴奏しながら歌う |
造形表現に関する技術 | 50 | 指定課題について絵を描く |
言語表現に関する技術 | 50 | 指定された童話などを3分間口演する |
私の筆記試験勉強と筆記試験を受けた感想について
筆記試験勉強
私は子どもが幼稚園に行っている間や子どもが寝た後の時間に試験勉強をしました。我が子が幼稚園年少に入園した4月からユーキャンの「保育士速習テキスト上下」を購入して読み始めました。テキストを一通り読んだ後、ユーキャンの「保育士過去&予想問題集」を購入して過去問題を解いてみましたが、実力に自信が持てなかったので、勉強を始めてから1年後の試験は受験せず、2年後の4月下旬に行われた筆記試験で初めて受験して一発合格することが出来ました。
筆記試験を受けた感想
私は9科目全部受験したので、試験1日目は4科目受験して10時30分から16時30分まで、試験2日目は5科目受験して10時から16時30分まで試験を受けました。
私の実技試験対策と実技試験を受けた感想について
実技試験対策
4月に筆記試験を受験した後に自己採点した結果、筆記試験に合格出来たと思ったので、実技試験の対策を始めました。実技試験では「音楽表現に関する技術」「言語表現に関する技術」の2分野を選択しました。
実技試験は7月1日だったので、練習出来る期間は約2か月しかありませんでした。対策を考える時間が十分にあるとも思えなかったので、私はユーキャンの実技試験合格対策コースを申し込みました。
ユーキャンの実技試験対策コースの教材には「音楽表現に関する技術」の試験の課題曲のピアノ楽譜が入っていました。また、「言語表現に関する技術」の試験の課題のお話を試験用に3分間で話せる内容にアレンジした模範口演のCDが入っていました。
「音楽表現に関する技術」の課題練習
私が受験した年の課題曲は「アイアイ」と「おかあさん」でした。私はピアノが弾けるので、ピアノで弾き歌いの練習をしました。試験当日にはギターで演奏している方もいました。
「ユーキャンの実技試験合格対策コース」の教材の中にあった楽譜を使って弾き歌いの練習をしました。試験での楽譜持ち込みは認められていましたが、楽譜無しでも弾き歌い出来るように、何度も練習して暗譜しました。
「言語表現に関する技術」の課題練習
私が受験した年の課題のお話は「おむすびころりん」「3びきのこぶた 」「3びきやぎのがらがらどん」「 てぶくろ」の4つでした。言語の試験は、4つの課題から1つのお話を選択して、目の前に3歳児クラスの子ども20人がいるという設定で素話をするというものでした。
私は日頃から家でもよく我が子に読み聞かせをしている「3びきのこぶた」を選択しました。
ユーキャンの実技試験合格対策コースの中に入っていたCDの中の「3びきのこぶた」のデータを普段使っているタブレットにコピーして、家事をしている時などに何度も聞いて、内容を丸暗記しました。また、我が子の前で「3びきのこぶた」を素話して練習しました。
実技試験を受けた感想と反省点
実技試験には白いブラウスで紺色のスカートの落ち着いた装いで挑みました。
先に結果をお伝えすると、「音楽表現に関する技術」も「言語表現に関する技術」も合格出来ました。しかし、結果の得点が予想とは異なるものだったので、得点を考察しながら試験当日の私の様子を振り返って反省点を挙げてみます。
「音楽表現に関する技術」34点/50点
「音楽表現に関する技術」は合格できたものの50点中34点でした。3歳から高校2年生までピアノを習っていた私、当日、ピアノは失敗しませんでした。歌も普通に音を外れず歌えたと思います。ただ、緊張していたので、大きな声が出ていなくて、歌声がピアノにかき消されていたかもしれません。
減点されたと思い当たることが1つあります。私は試験の時にピアノの前に座り、ふと「ペダルを土足で踏んだらダメかな?」と思ってしまって、ペダルを踏んだ足だけ靴を脱いでしまいました。後々考えると、子どもが目の前にいたとして、子どもが危ない行動を取っていた場合に、私が靴を脱いで演奏しているとすぐに立ち上がって対応することが出来ないので、靴を脱いで演奏したことが間違っていたので減点されたと思います。
「言語表現に関する技術」43点/50点(30秒余ったのに意外と良い結果でした)
「言語表現に関する技術」の試験では、とても緊張していましたが、目の前に3歳の子ども達が座っていることをイメージしながら「3びきのこぶた」の素話をしました。
「これから『3匹のこぶた』のお話をしますね。あるところに3匹のこぶたが住んでいました。…」と表情や抑揚豊かに話を進めていきました。途中、オオカミが出てきてお話が白熱してきたときに1か所セリフを飛ばしてしまいました。ストーリーの進行には差し支え無かったのですが、そのせいもあって、お話の時間が短くなってしまいました。
「あっ!、セリフ1つ飛ばした!」と自覚して焦ったのですが、動揺しないように気持ちを落ち着かせてお話を続けられたのは良かったです。しかし、ドキドキしながら話していたので、少し早口にもなっていたかもしれません。結局、「おしまい」と言ってからおよそ30秒くらい余ってしまいました。
お話が終わってしまって、我に返って審査員の方に顔を向けると、「そのまま時間がくるまで続けていてください」と言われたので、ニコニコして目の前に子ども達が座っているつもりで、見渡したりしながら笑顔で試験終了の時間を待ちました。
まとめ
保育士試験は筆記試験も実技試験も大変でした。
筆記試験は科目数が多かったので、全科目合格しなければならないというプレッシャーがありました。また、2日間の長い試験時間の間ずっと集中していなければならなかったので、それもアラフォーの私には堪えました。
実技試験は言語の試験で30秒くらい余らせてしまったのが辛かったです。静まり返った部屋で試験官が私を見ていて、その視線を感じながらおよそ30秒笑顔で立っていた時間がとても長く感じました。結果的には「3びきのこぶた」の熱演が評価されたのか、無事合格出来て良かったです。何度も我が子の前で練習してきた甲斐があったと思いました。