今回は、イタリアの北部にあるヴェローナとヴェネツィア、フィレンツェ、ピサへの子連れ旅行について綴らせていただきます。
イタリアのヴェローナ空港へ
我が家はイタリア北部にあるヴェローナ空港まで飛行機で行きました。ヴェローナ空港からヴェローナ市内までは約10㎞です。ヴェローナ空港からヴェローナ市内まではシャトルバスが20分おきには発着していて、約20分で着きます。
ヴェローナの観光
ヴェローナの概要
ヴェローナは北イタリアにある都市で、現在は人口約26万人が住んでいます。街には古代ローマ時代の遺跡や中世の街並みが点在していて、町全体が世界遺産に登録されています。
古代ローマ時代にはドイツのアウクスブルクからオーストリアのインスブルック、そしてイタリアのヴェローナに出る道は重要な街道であり、ヴェローナはその頃から発展していました。また、中世には西のミラノから東のヴェネツィアへ向かう街道の中間に位置しているため、ヴェローナは通商、交易、巡礼、軍隊の移動上の重要な拠点となり、12世紀初頭には都市貴族が自治権を持って支配する都市国家(コムーネ)となりました。
13世紀にはイタリアの都市国家同士の対立や、神聖ローマ帝国とローマ教皇の対立などが起こりました。混乱した状況を克服するため、ヴェローナ市民は実力のあるマスティーノ・デッラ・スカラ(1308‐1351)に市政を任せるようになりました。
スカラ家の統治は127年にも及び、その間ヴェローナはとても繁栄しました。その頃には他の都市からの亡命者も受け入れ、フィレンツェを追われたダンテ(1265‐1321)も1304年にヴェローナに亡命して来ました。ダンテはヴェローナで有名な『神曲』の構想を練ったとされています。
ヴェローナの観光スポット
ヴェローナは小さな町なので歩いて移動できます。アレーナ→カステルヴェッキオ→スカリージェロ橋を見てシニョーリ広場(ダンテ像)→ジュリエットの家の順番で観光できます。
アレーナ(円形闘技場)
帝政ローマ時代の紀元30年に完成したアレーナ(円形闘技場)があります。ここでは古代ローマ時代に剣闘士と虎やライオンの戦いなどが行われていました。近世以降は演劇や博覧会、オペラなど様々な目的で使用されてきました。長径139m、短径110mの楕円形の形をしています。
カステルヴェッキオとスカリージェロ橋
スカラ家がヴェローナを統治していた頃にアディジェ川にかけられたスカリージェロ橋と一帯となったカステルヴェッキオの城壁と城が建設されました。
ジュリエットの家
シェイクスピア(1564‐1616)が書いた戯曲『ロミオとジュリエット』は14世紀のヴェローナが舞台となっています。神聖ローマ帝国派とローマ教皇派の家の対立がお話のモデルになったとされています。ジュリエットが「おお、ロミオ!」と言う時に立つバルコニーのイメージにぴったりのバルコニーとジュリエットの像があります。ジュリエットの像の右胸に触れると幸せな結婚が出来ると言い伝えられています。また、バルコニーへの中庭には恋人たちが願いことを書いた紙がびっしりと貼られていて、恋愛成就スポットとなっています。
シニョーリ広場
中世には町の政治の中心地でした。広場の中央にはダンテの像が立っています。
ヴェローナからヴェネツィアへ
我が家はヴェローナで一泊した次の日に朝から電車に乗ってヴェネツィアに行きました。ヴェローナからヴェネツィアまでは電車で約1時間半で着きました。
ヴェネツィア概要
オーストリアから北イタリアのアルプスのドロミティ山塊を氷河が削り、河川が浸蝕し、削り出された固い岩石は川から海に流されて来ました。その土砂が海上に堆積して、干潟が形成されました。それがやがて陸地となり、ヴェネツィア一帯の小島が形成されました。
ヴェネツィアは7世紀の終わりから18世紀末の1797年にナポレオンに攻撃されるまでの1100年もの間、共和国として栄えてきました。
ベネツィアの観光
サンタ・ルチア駅から観光の中心地であるサン・マルコ広場まではヴァポレット(水上バス)で行くことができます。サン・マルコ広場にはサン・マルコ寺院、鐘楼、ドゥカーレ寺院があります。
サン・マルコ寺院・鐘楼
サン・マルコ寺院は828年にエジプトのアレキサンドリアから運ばれた聖マルコの遺体を収めるために9世紀に建てられた寺院です。
ドゥカーレ宮殿
ドゥカーレ宮殿は9世紀に建設され、ヴェネツィア共和国の政治の中枢として国会、行政、裁判をつかさどる政庁が置かれていました。また、ヴェネツィア共和国総督の居所でもありました。ヴェネツィアは住民が代表を選ぶ共和制の海洋都市国家で、交易や信教の自由が尊重されていました。
2階の大評議の間にある『天国』という油絵は7m×22mもあり、世界最大の油絵と言われています。
ゴンドラでヴェネツィア巡り
ヴェネツィアの町には運河が張り巡らされています。その運河でヴェネツィア名物の細長い手漕ぎボート(ゴンドラ)に乗って、町を観光することが出来ます。客引きのお兄さんと値段交渉してから乗ります。
まとめ
イタリア北部の旅ではヴェローナまで飛行機で行って、ヴェローナで一泊、ベネツィアで一泊、フィレンツェで一泊して次の朝にピサに寄ってピサから飛行機でオランダに戻りました。
でも一回の記事にしようと思うと記事がすごく長くなってしまうので、今回はヴェローナとベネツィアの旅までにして、次にまたフィレンツェとピサの旅について綴らせていただきます。
ヴェネツィアやドブロブニクなど、都市国家ってとても惹かれます。フランク王国やローマ教皇、ビザンツ帝国、神聖ローマ帝国、そういう強い国々や権力から自分たちの共和制の国を人々が守り抜いてきたということが凄いなと感じます。世界を股にかけて海上貿易をしていたベネツィア商人、そこもまたダイナミックで心が沸き立ちます。
そして、ヴェローナもすごい。古代ローマの遺跡。古いのによく出来ていますよね。
ヴェローナとヴェネツィアの魅力が上手くお伝え出来ていれば幸いです。
読んでくださり有難うございました。