オランダ干拓の歴史と風車スポット(キンデルダイク、ザーンセスカンス等)について

今回はオランダの干拓の歴史と、キンデルダイクやザーンセスカンス、アムステルダムの街中の風車スポットについて記事にさせていただきます。

オランダ干拓の歴史

オランダは九州と同じくらいの面積の国です。そのうち、1/4くらいが干拓地です。「世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」と言われているように、オランダの国土は人間が海や湖を干拓して造りました。

オランダの干拓が始まったのは13世紀頃からで、排水路や水門を築いて雨水や地下水などを風車の動力で海に排水し、国土を堤防で囲み、海や湖を干し上げて国土を広げていきました。

18世紀に産業革命が起こって蒸気エンジンが開発されると、風車に代わって蒸気エンジンが排水の動力になりました。

1932年、北海とアイセル湖を仕切るための締め切り大堤防が完成しました。締め切り大堤防は世界最大の堤防で、全長32㎞もあり、堤防の上は高速道路になっています。

締め切り大堤防。右側が北海、左側がアイセル湖です。アイセル湖側は干拓地なので海面より低くなっています。
みどり
オランダの歴史についてはベルギーの歴史と重なっているところがあるので、ベルギーのブリュッセルの記事を宜しければご覧ください。
ピンク色の部分が干拓地のエリアです。

オランダの風車観光スポット

オランダには今も約1,000基の風車が残っています。かつて風車は干拓地の排水動力として使われたり、小麦などの穀物の製粉などの工業目的に使用されてきました。

広々とした湿地帯で青い空を背景に風車の姿を見ていると、とても心安らぎます。ここからは風車観光スポットをご紹介させていただきます。

キンデルダイク

オランダ南部のロッテルダム近郊にあるキンデルダイクの風車群は「キンデルダイク‐エルスハウとの風車群」として世界遺産に登録されています。

キンデルダイクへはアムステルダムから車で約1時間10分(約100㎞)で行くことが出来ます。

キンデルダイクの19基の風車は1740年代に干拓地の排水用として造られました。
ボートに乗って風車群を観光しました。とても静かな場所で、ゆったりと観光することが出来ました。夫と我が子は途中でお昼寝していました。
観光した時期は9月下旬のとてもお天気の良い日でした。青い空にモクモクした雲が浮かんでいて、風車観光日和でした。
この写真はとても気に入っていて、大きくプリントして今も部屋の壁に飾っています。すごく気持ちよかった思い出が蘇ってきます。

ザーンセスカンス

ザーンセスカンスはアムステルダムから車で約20分(約20㎞)で行くことが出来ます。アムステルダム中央駅から鉄道でKoog Zaankijkで下車して、そこから徒歩15分でも行くことが出来ます。アムステルダムから近いので、風車観光スポットとして人気です。

ザーンセスカンスはアムステルダムから近い観光スポットなのでいつもとても混んでいました。ザーンセスカンスには16世紀末に製材用風車として建てられた4基の風車とザーン地方の伝統的な建物を集めた屋外博物館村があります。
ザーンセスカンスはアムステルダムから近いので何度か行きました。この写真の頃は12月の真冬だったので、閑散としていました。空が澄んでいて良い写真が撮れました。
緑色に塗られた風車もとても可愛かったです。
ザーン地方の家は緑色の壁で白い窓枠の家が特徴です。
かつて干拓して国土を広げていた頃、地面がぬかるんでいていたため、湿地帯を歩きやすく、さっと水で洗い流しやすい木靴が重宝されていました。ザーンセスカンスには木靴工場があります。木靴は可愛くて、小物入れにも使えるので、お土産にもお勧めです。

デ・ファルク風車博物館

デ・ファルク風車博物館は、アムステルダムから電車で約30分(約50㎞)の場所にある街ライデンにあります。ここで見られるデ・ファルク風車は1743年に粉挽き用として建てられました。

風車の中が博物館になっていました。
木で出来た風車の模型が展示されていました。
風車に登って近くから見上げてみました。とても大きかったです。
風車内部の粉を挽いていた場所も見学することが出来ました。風を動力にしていたのですね。
下から見上げたところです。春、桜と一緒に写真を撮ることが出来ました。

アムステルダムにもある!アムステル公園の風車

アムステルダムの市内のアムステル公園にも素敵な写真が撮れる風車があります。アムステル公園にあるデ・リーケル風車は1636年に造られたものです。

アムステル公園には子ども用の遊具やミニトレイン、カフェ、ヤギや羊、ウサギなどの飼育小屋などがあって、大人も子どもも楽しめる公園です。
アムステル公園の近くに住んでいたので、子どもを連れてほぼ毎日お散歩に行きました。アムステル公園の風車はとても大きくて、歴史も感じました。

その他、現代の風車

オランダで車を走らせていると、風力発電をよく見かけました。オランダでは2017年に世界最大級の洋上風力発電所が操業開始されています。自然エネルギー財団の資料によると、日本でもこれから洋上風力発電の導入が進んでいきそうです。

みどり
日本の再生可能エネルギーの割合はヨーロッパに比べるとまだまだ少ないですね。日本も海洋国家だから、もっと風力発電が増えていくと良いですね。
現代の風車の景色もとても爽やかで素敵でした。
高速を走っている途中、昔と現代の風車を一緒に見ることが出来ました。

まとめ

キンデルダイクの風車群の風景は無音の世界で、目の前にゆったりと風車と水の景色が広がっていて、とても素敵でした。

ザーンセスカンスの方がアムステルダムからのアクセスは良いのですが、のんびり観光したい方にはキンデルダイクの方がお勧めです。

アムステル公園のデ・リーケル風車もとても大きくて迫力があります。旅行の際にはぜひ訪れてみてください。

読んでくださり有難うございました。

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