『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展の感想

先日、東京都現代美術館で開催されている『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展を観てきました。

私は『クリスチャン・ディオール』のようなハイブランドとは疎遠な主婦生活を送っているのですが、綺麗なお洋服やドレスを観るのは大好きです♡映画『プラダを着た悪魔』は何回観てもテンション上がります!

そんな私が慌ただしい日々の合間に『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展に行ってきました。

最高でした!目の保養になりました♡

今回は『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展の感想を綴らせていただきます。

クリスチャン・ディオールの人生

クリスチャン・ディオールは1905年、フランス北西部ノルマンディー地方で5人兄弟の2番目として生まれ、5歳の時に一家はパリに移住しました。父は肥料の生産事業の経営により財を成し、ディオールは裕福な家庭で育ちました。

ディオールは1920年から1925年12月までパリ政治学院で学びましたが、彼は政治よりも芸術に興味があったので、1928年に父親からの出資をもとにして、友人と共に2つの小さなアートギャラリーの経営を始めました。ギャラリーではパブロ・ピカソジョルジュ・ブラックマティスなどの既に名の知れた芸術家や、サルバドール・ダリアルベルト・ジャコメッティなど後に有名となる芸術家の作品も展示されていました。しかし、1929年に始まった世界恐慌によって父親が資産を失ったことにより、1934年にギャラリーは閉鎖しました。

みどり
ピカソについても記事にさせていただいております。宜しければ『『ピカソとその時代』展に行ったのでその感想【ピカソ作品の変遷】』もご覧ください。
1937年、ディオールはロベール・ピゲに雇われ、そこでピゲのコレクションのためにデザインをする機会を得ましたが、1939年にナチス・ドイツによってフランスが占領されると、ディオールはナチスの高官やそれに協力するフランス人の夫人のためのドレスなどをデザインすることを余儀なくされました。
1945年に第二次世界大戦が終わると、その翌年1946年にディオールはパリのモンテーニュ通り30番地にメゾンを創業しました。メゾンは創業するやいなや多大な成功を収め、パリを「比類なきファッションの都」へと返り咲かせました。ディオールは世界で展開するオートクチュール(一点ものの高級仕立服)のメゾンの先駆けとなりました。
1947年、『クリスチャン・ディオール』最初のコレクションが開催されました。このコレクションでは、ゆったりとしたスカートが特徴的な「コロール(花冠)ライン」と、細見のスカートが特徴的な「8(エイト)ライン」という2つの代表的なシルエットが注目されました。アメリカの雑誌『ハーパーズ バザー』の編集長カーメル・スノーによって、このコレクションは「ニュールック」と評され、「ニュールック」は服飾の歴史に残る伝説となり、『クリスチャン・ディオール』はパリのオートクチュール界の頂点に君臨しました。
ディオールは1957年に心臓発作で亡くなり、ディオールが亡くなった後は当時21歳だったイヴ・サン=ローランがブランドを引き継ぎました。

『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展の感想

2017年にパリで開催され、その後ロンドン、上海、ニューヨーク、ドーハと各地で大成功を収めてきた『クリスチャン・ディオール』展が遂に東京に上陸し、2022年12月21日から開催されています。 開催期間は2023年5月28日迄)
ここからは、『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展を観た感想です。

ニュールック

1947年春夏のオートクチュールコレクションでお披露目された「バー」ジャケットとフレアスカートを組み合わせた「ニュールック」。
ニュールックゾーン。モノトーンでオシャレ。

ディオールと日本

『クリスチャン・ディオール』は日本に最初に進出した西洋のファッションブランドです。1953年にディオールは鐘紡及び大丸と契約を結び、ディオールの型紙を用いて服を仕立てる権利を両社に提供しました。

クリスチャン・ディオールは日本を愛し、繊細で叙情的な日本文化から多くのインスピレーションを受けていました。今回の展覧会はディオールと日本との絆を感じさせられる内容になっています。

1953年、帝国ホテルでディオールのファッションショーが開催されました。この5着がその時に披露されたドレスです。背景が障子のようで、『和』の空間の展示が素敵でした。
2007年に発表された「蝶々夫人」をテーマにした着物風のドレス。とても日本的ですね。
2007年に発表された葛飾北斎「富嶽三十六景」の浮世絵風ドレス。とても可愛い♡
桜のドレス。淡い色合いや絞りの生地がとても日本的。

歴代のディオールのクリエイティブディレクター

創設者であるクリスチャン・ディオールのコレクション。
1957年、21歳の若さでクリエイティブ ディレクターに就任したイヴ・サンローランのコレクション。
2011年から2015年までクリエイティブ・ディレクターを務めたラフ・シモンズがデザインしたコレクション。
2016年から現在までクリエイティブ ディレクターを務めるマリア・グラツィア・キウリのコレクション。

ディオールのアトリエ

コレクションの準備はデザイン画から始まります。デザイン画をもとに、アトリエでは「トワル」と呼ばれるドレスの試作品がコットン生地で作られ、トワルはドレスの原型になります。

真っ白のトワルが並んだアトリエのような空間。「本物の高級品には本物の素材と本物の職人技が欠かせない」とクリスチャン・ディオールは回想録に記しました。
可愛い♡可愛すぎる空間。ウキウキが止まらない。
綺麗〜♡ドレープが女性的で美しすぎる。上品だわぁ〜♡
素敵なデザイン♡この白いゾーンが一番乙女チックで気に入りました。日々のストレスが吹き飛びました!
みどり
私、白ってすごい色なんだと思っています。私はアクリル絵の具で色々塗って作品を作るのが趣味なのですが、どんな色にも白を入れると輝きます。色彩の勉強って面白いです。全然関係ないのですが、私の大好きな『SEKAI NO OWARI』の『イルミネーション』という歌、色彩で人生が表現されていて奥深いです。

虹のカラーでトータルコーディネート

クチュリエ』とは、主にパリのオートクチュールの主任デザイナーのことを言います。メゾンのデザイン責任者としてデザイン、裁断、縫製、営業宣伝活動に至るまで全てを統括します。

この展示ゾーンでは、女性の全身を『クリスチャン・ディオール』で着飾るというクチュリエの夢が表現されています。

パレットのように色に合わせた全身コーディネートが展示されていました。可愛い♡
メゾンの創始者がこよなく愛した色である赤は「生命の色」らしいです。
ピンクは「幸福と女性を象徴する色」、グレーは「中間色の中で最もエレガントな色」と展示の説明にありました。私は生活の中にピンクを取り入れるようにしています♡そして、「どんな炎に焼かれてもただ一つ残る色」「全部を混ぜ合わせて出来るただ一つの色」であるグレーは最もエレガントなのですね!苦楽を経験した大人の女性に似合う色なのだなぁ。『SEKAI NO OWARI』の『イルミネーション』の歌詞は深いなぁ。

藤の花で飾られたロマンティックな花のドレス

クリスチャン・ディオールが亡くなった後、創設者が始めた仕事をイヴ・サンローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、そして現職のマリア・グラツィア・キウリが引き継いで来ました。

創設者であるディオールを象徴するテーマは「女性を称え、花と庭園への愛を賛美し、芸術と歴史と文化を称揚するファッション」です。ディオールの後継者はこのテーマに各々の解釈を加えながら、独自の創造性を追求しています。

このゾーンには切り絵アーティストの柴田あゆみが制作した藤の花が天井から垂れ下がっていて、日本庭園を回遊しているような瑞々しい空間でした。ドレス可愛い♡
ミス ディオールのCMでナタリー・ポートマンが着用したドレス。
花の妖精の様なナタリー・ポートマン。
水面に浮かぶ花のドレス。ピンクゾーンで最高に可愛い♡
みどり
大好きな『くるみ割り人形』の『花のワルツ』。気持ちが荒んだ時に時々観て癒されています。

『STARS IN DIOR』

このゾーンでは、グレース・ケリーやダイアナ妃などの王室が着用したドレスや、シャリーズ・セロンやジェニファー・ローレンスなどのセレブリティがアカデミー賞などで着用したイブニングドレスが展示されていました。

ゴージャス!着る人を選びますね。さすがセレブリティに愛されたドレスたち。

ドレスの祭典『THE DIOR BALL』

このゾーンは1階と地下2階をつなぐ吹き抜けのアトリウムで、プロジェクトマッピングで演出された壮大な空間に煌びやかなイブニングドレスが並んでいて圧巻でした。

とても壮大なドレスの演出。ゴージャスで素敵な空間!!
プロジェクト・マッピングの色が変わり、暗闇の中に映えるドレスはそれぞれに存在感がありました。

芸術性の高いディオールのバッグ『レディー ディオール』

壁と天井一面にディオールのバッグ『レディ ディオール』の展示がありました。キラキラしていて、ディテールが凝っていて、観ていて楽しかったです。

うまく写真に納められなかったのですが、ディオールの可愛い鞄がいっぱい展示されていました。家に帰って「おいくら万円かしら?」と検索してみて、「高い…」と唸りました。芸術品なのですね。

ディオールと世界

クリスチャン・ディオールはファッション界におけるグローバリゼーションの先駆者でした。ディオールは1948年より、子会社やブティック、ライセンス生産のネットワークを広げていくことで、自身のブランドを世界中に広める戦略を取りました。

『クリスチャン・ディオール』は、メゾンを4大陸に拡大していきながら各地で文化の交流をし、アフリカの装飾芸術やマハラジャの豪華な刺繍、中東の飾り紐、古代ギリシャのプリーツつきのチュニック、ラテン文化で好まれる暗い色彩などから着想を得て、それを再解釈したものをデザインに取り入れ、各地の文化をドレスで表現しました。

ギリシャ神話の女神や古代エジプトっぽいドレスですね。
各地の文化を感じられるドレスでした。ヨーロッパの文化はマリー・アントワネット王妃を思わせる衣服によって表現されました。
みどり
マリー・アントワネットについてやパリの歴史については、宜しければ『子連れ旅行、フランスのパリの歴史と主な観光地と治安について』も宜しければご覧ください。

まとめ

今回の展覧会の会場には、若くて可愛いお嬢さんが沢山来ていました。しかし、日頃ハイブランドに囲まれて生活していない普通の主婦の私にもとても楽しめる内容でした。

綺麗で可愛くてゴージャスな色とりどりのドレスを観てテンションが上がり、とても幸せな気持ちになれました。ファッションって楽しいですね!

東京都現代美術館は江東区の木場公園の近くにあり、最寄り駅の清州白河駅の周辺にはオシャレなカフェが沢山ありました。美術館の帰りにカフェ巡りをしても楽しそうです。私は帰り道にもんじゃ焼きを食べて一杯飲んでご機嫌で帰宅しました。それもお勧めです。

読んでくださり有難うございました。

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