イヴ・サンローラン展に行ったのでその感想について

先日、 ~ 

イヴ・サンローランはジェンダーレスファッションの生みの親

以前、私は『クリスチャン・ディオール展』に行きました。それで、ディオールが1957年に心臓発作で亡くなった後、イヴ・サン=ローランがクリスチャン・ディオールのブランドを引き継いだということは知っていました。

みどり
最近、世の中ではジェンダーレスが流行っているなぁと感じます。最近、私がハマっているMrs.GREEN APPLEの大森元貴くんもジェンダーレス男子です。
イヴ・サンローランは1966年にル・スモーキング(Le Smoking)という女性のためのタキシードスタイルを発表し、男性のスーツを女性に着用させました。それがモードの世界におけるジェンダーレスの始まりでした。
当時は女性がパンツを履くことは物議を醸す行為でした。しかし、イヴ・サンローランは男性のみが身に纏うものとされていたスーツを、女性でも身につけることができるのだということを広く示しました。
イヴ・サンローランは、サファリ・ルック、パンツスーツ、タキシード、ピーコートやトレンチコートといった現代に生きる女性たちのワードロープの基礎を築き上げた『モードの帝王』として知られています。
1967年に発表されたパンツスーツ。かっこいい。
みどり
今では当たり前に着ているパンツスーツを世界で初めて発表したのはイヴ・サンローランなのですね。イヴ・サンローランのパンツスーツは単に女性に男性用のスーツを着せたのではなく、ウェストを絞ったりパンツを細見にしたり、シースルーやレースのブラウスに合わせたりして、女性を美しく見せるパンツスーツでした。マスキュリンなパンツスーツ、私も会社員時代好きでした。センタープレスでちょっとワイドなパンツってポケットに手を入れたくなりますよね。

プレタポルテ(既製服)の普及に貢献

オートクチュールがまだ主流だった1966年、イヴ・サンローランは自身の名を冠したプレタポルテのブティックをオープンし、大きな成功を収めました。このプレタポルテの普及が女性がパンツスーツを履くスタイルを押し広げていきました。

アートとファッションの融合

イヴ・サンローランは「アート×ファッション」のコラボレーションを世界で初めて取り入れました。

フィンセント・ファン・ゴッホ、アンディ・ウォーホール、パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、ジョルジュ・ブラックなどの芸術家の作品を愛していたイヴ・サンローランは、巨匠たちの芸術作品へのオマージュを込めた作品を発表しました。中でももっとも有名なのは、1965年に発表した「モンドリアン・コレクション」です。

みどり
イブ・サンローランとモンドリアンは生まれた時代が少し違います。モンドリアンは芸術家たちの「精神的共同体」の活躍の核となる雑誌『デ・スタイル』に参加し様々な画家や彫刻家、デザイナー、建築家、文筆家とコラボレーションしていました。過去にゴッホ展ピカソ展モンドリアン展に訪れた際の記事もあるので、よろしければご覧ください。
ピート・モンドリアンへのオマージュー1965年秋冬オートクチュールコレクション顧客のための仕立服
《アイリス》イヴニング・アンサンブルのジャケットーフィンセント・ファン・ゴッホへのオマージュ 1988年春夏オートクチュールコレクションプロトタイプ
イヴニング・アンサンブルへのジャケットーピエール・ボナールへのオマージュ 1988年秋冬オートクチュールコレクションプロトタイプ
イヴニング・ガウンーパブロ・ピカソへのオマージュ 1979年秋冬オートクチュールコレクションプロトタイプ
イヴニング・アンサンブルージョルジュ・ブラックへのオマージュ 1988年春夏オートクチュールコレクションプロトタイプ
ウェディング・ガウンージョルジュ・ブラックへのオマージュ 1988年春夏オートクチュールコレクションプロトタイプ
ドレスーアンリ・マティスに基づく 1981年秋冬オートクチュールコレクションプロトタイプ
みどり
今回の『イブ・サンローラン展』では、『アーティストへのオマージュ』ゾーンでしか写真は撮れませんでした。他のゾーンもとても綺麗でオシャレで素敵で繊細なお洋服が沢山飾られていてとても見応えのある展覧会で楽しめました♡

まとめ

大学の卒業旅行で友人と二人パリ弾丸旅行をした時、私はお土産にイヴ・サンローランの香水を買いました。パリの女性がとても素敵に見えて、香水をつけたらパリの女性みたいに雰囲気のある素敵な女性になれる気がしたからです。それから就職して香水のことはすっかり忘れ、香水はいつの間にかどこかに行ってしまいました。しかし、イヴ・サンローランが世界で初めて発表したパンツスーツのような、フェミニンかつどこかマスキュリンなパンツスーツも好んで履いて、同期の男の子と机を並べて働いていた会社員時代があったことを思い出しました。

今回、『イヴ・サンローラン展』を観にいったことでイヴ・サンローランのことを色々調べてみました。展示を観ている時は、以前に観た『クリスチャン・ディオール展』のような女の子が浮き浮きするようなお花の世界ではなく、ダーク系のパンツスーツやモンドリアンのドレスからどこか直線的で男性的で硬いイメージを持ちました。私は子どもの頃はバレエを習っていたのでお花の世界が大好きな女の子でしたが、大人になってからは男性と対等に働く女だった瞬間もあったので、どちらのファッションにも共感します。1960年代、『ル・スモーキング』を通して女性に男性と対等な自由と自信と力を与えてくれた革新的なイブ・サンローランの姿勢はとても素晴らしいと思いました。

色々調べてみて、イヴ・サンローランはジェンダーだけではなく肌の色などダイバーシティを推進していたことを知りました。80年代に黒人のナオミ・キャンベルがフランス版VOGUEのカバーを飾ったのも、イヴ・サンローランの「僕に任せて」の一言がきっかけだったようです。

イヴ・サンローランはファッションを通してダイバーシティを実現しているので、革新的な姿勢も含めて素晴らしいブランドなのだと知ることが出来ました。

2002年にイヴ・サン=ローランが引退してから10年後、エディ・スリマンが『サンローラン パリ」を設立しました。エディ・スリマンはイヴ・サンローランでアーティスティック・ディレクターを務めていた人物です。エディ・スリマンはクラシックのイメージが強かったイヴ・サンローランに、ロックや少年性といったテイストを加えました。今では一般的になっているスキニージーンズのフォルムを完成させたのもエディ・スリマンだそうです

私がよく履いているスキニージーンズもハイブランドのサンローランがデザインしたものが市場に落とし込まれたのだと知り、ファッション業界ってすごいなと思いました。

読んでくださり有難うございました。

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