昨日、東京国立近代美術館で開催されている『ガウディとサグラダ・ファミリア展』を観に行って来ました。
『ガウディとサグラダ・ファミリア展』は東京では2023年6月13日から2023年9月10日まで開催される予定で、その後は2023年9月30日から2023年12月3日まで滋賀県の佐川美術館で開催され、2023年12月19日から2024年3月10日まで名古屋市美術館で開催される予定です。
今回はその感想を記事にさせていただきます。
ガウディとサグラダ・ファミリア展の見どころ
ガウディの創造の源泉、「歴史」「自然」「幾何学」
ガウディは西欧建築の「歴史」や異文化の造形、「自然」が生み出す形の神秘を研究し、そこから独自の形と法則を生み出して独創的な建築物を創造しました。
また、ガウディは「建築家の言葉は幾何学」であり、「私は幾何学者」であると主張していました。ガウディは建築史上それまでは未使用だった幾何学の放物線アーチを初期の作品から使い続けました。
幾何学とは図形や空間の性質について研究する数学の分野のことです。中学校で勉強した三角形の合同の証明や高校で勉強した微積分は幾何学の分野です。確かに、平面を回転させて立体の体積を求めたりする積分は建築に関わりそうだと素人にも想像できます。
幾何学で思い出したのは、イスラム建築には幾何学模様が用いられていたことです。イスラム教は偶像崇拝を禁止していたので、絵画や彫刻が禁止されていました。そのため、植物文様や幾何学文様、アラビア文字を使用した装飾が発達しました。ガウディはその幾何学模様からも建築のヒントを得ていたのだと思います。
サグラダ・ファミリアの建設のプロセス
サグラダ・ファミリアは着工から140年以上建設工事が続いており、2026年に完成予定です。ガウディは模型を修正しながら聖堂の形と構造を探りました。ガウディ没後にプロジェクトを引き継いだ人々の創意工夫についても紹介されています。
逆さ吊り実験の模型はサグラダ・ファミリアを訪れた際にも見て、一番興味を惹かれました。自然の法則性を最大限に活用していると思いました。
19世紀、イギリスで産業革命が起こり、世の中に安価で大量生産されたものが出回ったため、その反動で人々は芸術性や独自性が高いものを求めるようになりました。それで、鉄やガラスなどの当時の新素材を用いて芸術性の高いものを生み出そうとする
アールヌーヴォー(Art+新しいの意味のNouveau)という新芸術運動が19世紀末から20世紀初めにかけて起こりました。ベルギーのブリュッセルとフランスのパリはアールヌーヴォーの中心地でした。よろしければ『
子連れ旅行、ベルギーの歴史とブリュッセルの旅について』もご覧ください。
ガウディの彫刻について
サグラダ・ファミリアは聖書の内容を彫刻で表現されています。その彫刻についての展示もありました。
NHKが撮影した高精細映像やドローン映像による空中散歩
NHKが撮影した高精細製造やドローンが撮影した映像を映し出したシアター展示がありました。
まとめ
今回の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」は割と混んでいたので、「みんなガウディ好きだなぁ!」と思いました。
私がガウディに興味を持ったのは大学生の時です。出来損ないの法学部生だったので、落とした必修科目の単位取得のために1人で図書館に籠っていたのですが、そこで法律の本に飽き飽きするとガウディの写真集を観て楽しんでいました。
「いつか絶対にグエル邸の天井のプラネタリウムを見たい!」と思っていたら、念願叶って30代でガウディの作品群を観ることが出来ました。実際に観て一番衝撃を受けたのはカサ・バトリョで、実際に観てみると「ガウディの作品は面白いけど奇抜すぎる!」という印象を抱きました。それでも、サグラダ・ファミリアの内部の美しさには心から感動しました。
サグラダ・ファミリアの柱は自然法則に従った合理的なものであり、放物線アーチで樹状の形状が用いられています。サグラダ・ファミリアを訪れた時に逆さ吊り実験の発想がとても面白いと思ったので、今回の展覧会でその模型をまた見ることが出来て満足しました。
NHKが撮影した高精細のシアターはとても迫力があり、実際にサグラダ・ファミリアにいるような臨場感を味わうことが出来ました。
ぜひ、ご興味があれば訪れてみてください。
読んでくださり有難うございました。